2019年7月21日(日)

長崎・五島産業汽船が破産へ 社長「判断甘かった」
佐世保~有川路線参入で採算悪化

2018/10/4 19:41
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長崎県の五島列島と長崎市や佐世保市を結ぶ旅客船を運航する五島産業汽船(長崎県新上五島町)は4日、野口順治社長が長崎市内で会見し、破産を申し立てる方針を明らかにした。負債総額は関連会社を含めて推計21億円。2015年に新規参入した佐世保~有川路線の採算が悪化し、収益を圧迫していたことが響いた。

同社は九州本土と五島列島の全4航路を休廃止する届け出を1日までに九州運輸局に提出している。経営破綻の直接の原因となった佐世保~有川路線は、就航当初から赤字が続いていた。

【関連記事】五島産業汽船、全航路を休廃止 五島列島―九州本土

主力路線の長崎~鯛ノ浦航路は年間12万人の利用があり、黒字を確保していたが、新規に開業した佐世保~有川路線の採算改善が進まなかったことが響いた。

収益の悪化で手元資金が枯渇するなか、8月15日が期日となっていた船舶の定期整備費などが支払えず、1回目の不渡りを出すことになった。

その後、メーンバンクの福岡銀行の支援を受けつつ、自力再建を模索していた。取引先らに支払い猶予などを求めたものの、理解が得られず、法的整理に踏み切ることになった。

【関連記事】長崎・五島産業汽船が経営破綻 2度目の不渡り

負債の内訳は五島産業汽船本体が17億3000万円で、乗車券の発券業務などを手掛ける関連会社が3億7000万円となっている。従業員については関連会社を含む計38人を2日までにほぼ全員解雇した。船舶の管理などが必要なため、一部の船員らの雇用は続けている。今後については、来週末をメドに裁判所に破産申し立てをすることをめざす。

五島産業汽船の野口社長(左)は4日、長崎市で会見し、自己破産の申請を決めたことを明らかにした

五島産業汽船の野口社長(左)は4日、長崎市で会見し、自己破産の申請を決めたことを明らかにした

事業の存続について、野口社長は「島民の足として定着していた長崎港~鯛ノ浦路線の再開に協力できることがあればしていきたい。私が事業に取り組むかどうかについては、何も言える立場にない」と話すにとどめた。

会見した野口社長は突然の運航休止や経営破綻について謝罪した。主なやり取りは以下の通り。

――2日に何の前触れもなく、全路線の運航を停止した。

「1日の段階では銀行取引の停止だけだったので、何とか運航は続けようと模索していた。債権者や関係機関などを回っていたが、3日夕方に万策が尽きたと判断した。(事業を継続できず)利用者には迷惑をかけてしまった」

――民事再生法や会社更生法を申請するという選択肢はなかったのか。

「民事再生法などについては頭によぎったことはあったが、自力再建にこだわってしまった。経営判断が甘かったと思う」

――今後についてはどう考えている。

「長崎~鯛ノ浦路線については地元の新上五島町から自社の船舶を購入してもらい、運航を担当する『公設民営』とするなど手厚い支援をしてもらっている。路線の再開について、私ができることがあれば協力していきたい。私の立場などについては町など関係機関の意向に従いたい。今回の事態は自身の甘さから来たこと。許してもらえる状況にはないと思っている」

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