2018年12月19日(水)

五輪関連の国の支出、5年で8千億円 検査院報告

2018/10/4 18:56
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会計検査院は4日、2020年東京五輪・パラリンピックに関わる国の支出が13~17年度の5年分で総額約8011億円に上ったとする報告書をまとめ、国会に提出した。国はこれまで関連支出は16、17年度で計約788億円にとどまるとしていた。検査院は五輪関連予算の実態が不透明だとして、国に費用負担の全体像を示すよう求めている。

国は17年、五輪の関連施策として70項目を公表。大会の準備・運営に関わる分野のほか「観光振興」「バリアフリー対策の強化」など、五輪をきっかけに現状を見直す取り組みも含めた。

このうち「大会運営や機運醸成、成功に直接役立つ」「既存事業の『看板の掛け替え』ではない新規・追加の取り組み」の2条件を満たす事業を対象に16、17年度の支出を集計した結果が約788億円だった。

検査院は、国の定義は「関連施策の範囲を狭く捉えているうえ、支出の実態が分からない」として、70項目に含まれる関連支出を独自にまとめた。その結果、東京都が開催都市に選ばれた13年度からの5年間に、約8011億円の支出があったことが分かった。

中には成果が伴わない支出もあった。例えば文部科学省が大学などに業務委託したトレーニング機器などの開発事業13件には約1億6千万円が投じられたが、「市販品が販売された」などの理由で開発が打ち切られた。

計画されたのに実施されなかった事業もある。日本側が五輪参加国と交流するホストタウン事業は16、17年度の168事業(約1億2800万円)が「日程調整ができなかった」などとして未実施だった。

新国立競技場の建設現場(6月)

新国立競技場の建設現場(6月)

ただ、検査院は関連支出に当たるかどうかを各省庁の申告に基づき判断。暑さ対策に役立つという気象衛星の予測精度向上に充てた費用(約371億円)や、「環境に配慮した五輪」実現のためとされる電気自動車などの購入補助金(約568億円)など、五輪との関連があまり明確でない支出も含まれている。

五輪関係の国の取り組みを統括する内閣官房からは「検査院は関連支出の対象を幅広く解釈しすぎてはいないか」と疑問視する声も聞かれた。

今回の調査は参院決算委員会の要請を受けて実施した。明治大の田中秀明教授(財政学)は「関連支出の全体像を示すことは、税金の使い道が適正かどうかを国民が判断する助けになる」と評価。その上で「五輪に便乗して各省庁が要求する予算については、財務省や国会は必要性をより厳しくチェックすべきだ」と話している。

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