羽田空港国際線増便、2020年前の新航路開設へ日米調整難航
観光振興に暗雲

2018/10/4 20:00
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羽田空港国際線の発着枠を増やすための新しい飛行ルートをめぐり、日本政府と米国との調整が難航している。2020年の東京五輪・パラリンピックの前に運用を始める方針だったが、遅れる可能性が出てきた。米側との調整次第では、日本を訪れる外国人観光客数の動向にも影響する。

調整にあたる国土交通省は14年に羽田を離着陸する新ルート案を表明した。新たな飛行ルートは東京都心の上空を通過する。関係する自治体の住民を対象に騒音や事故対策などの説明会を開いて理解を求めてきた。訪日外国人客を増やすために欠かせない施策の一つとされており、旺盛な旅行需要を取り込みたい航空会社の期待も大きい。

ただ、新たな飛行ルートは在日米軍の横田基地が航空管制を担当している「横田空域」を一時的に通過する。日本側は新ルートを通る航空機の横田空域の通過を認め、旅客機の航空管制も日本側が担当することを前提に米側と調整してきた。

一方、米側は日本による航空管制や横田空域の通過を認めないとの考えを示しているもようだ。米側との協議は難航しており、現時点で打開の見通しは立っていないとみられる。

新ルートの導入で、昼間時間帯の国際線は発着枠が年6万回から9万9千回に増える見込みだ。発着枠の航空会社への割り振りの議論は18年末ごろから本格化する見込みだったが、ずれ込む可能性が高まってきた。

20年の東京五輪・パラリンピックの開催を控えて、航空需要は今後も増加が見込まれる。都心に近い羽田空港の発着枠が増えると、都内から海外旅行や海外出張にも行きやすくなる。羽田は地方空港とのネットワークも充実しており、地方から乗り継いで海外に行くのも便利になる。

政府は20年までに日本を訪れる外国人客数を4千万人まで増やす目標を掲げる。観光産業の振興は成長戦略の柱の一つ。国交省の試算によると、今回の発着枠拡大による年間の経済効果は約6500億円にのぼるとされる。羽田の新ルートは外国人客を呼び込むのに不可欠とみており、米側との協議の結果次第では観光政策の練り直しを迫られそうだ。

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