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静かにたまる円高マグマ 相場急変動、消えた「恐怖心」

2018/10/3 22:51
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外国為替市場で相場の急変動に対する「恐怖心」が消えている。金利、株価、商品でも、現在の相場が崩れないとの見方が定着。マネーはリスク資産に向かい、円は今週、11カ月ぶりに1ドル=114円台へ下落した。だが楽観論が続き、円高に反転するマグマも静かにたまっている。恐怖が消失しても、米景気が思いのほか強いと金利が跳ね上がる火種を抱える。

「経済見通しは色あせてきた」。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は1日の講演で、来週更新する世界経済の成長率見通しの下方修正を示唆した。貿易戦争は「不確実性が高まるにつれ投資や生産にも打撃を与える」(ラガルド氏)と懸念を強めている。

だが、金融市場では貿易戦争はどこ吹く風。先進国の株価は今年の高値を付ける国が相次ぎ、新興国も持ち直している。

「ゴルディロックス(適温相場)が再来しているのかもしれない」。ある外資系証券の金利トレーディングの責任者はこう語る。

米10年物国債の予想変動率は、米長期金利が今後急上昇(価格急落)することに投資家がどれほど備えているかを示す。9月は2003年以降で最低を記録し、いまも横ばいが続く。投資家は「米長期金利は現状の3%程度から大きく上がることはないだろう」と市場に視線を向けている。

背景には米国の潜在成長率が高まらず、市場は来年にも米利上げは2.75~3.00%程度で打ち止めになるとの見立てがある。景気に冷や水を浴びせるような利上げはなく、「適温経済」のもとで相場はおだやかに推移するとの向きが多い。

予想変動率は米長期金利を起点に幅広い金融資産で低下している。円・ドルといった為替相場のほか、株価や商品にも広がっている。価格があまり動かないならば、運用リスクが下がって投資に前向きになれる。このため株式などのリスク資産や高金利通貨が買われるという循環が足元で起こり始めているわけだ。

9月以降、生命保険会社や年金の外債投資が盛り上がっている。海外投機筋もにわかに円売りの持ち高を傾けているが、低金利に安住すると反動はその分大きくなりかねない。

市場がリスクとして意識するのは、この先の米景気の強さだ。足元では賃金上昇が加速し始めており、物価上昇率も2%を超えて上振れている。日銀内でも「賃金が上がり続けると、米利上げが市場の想定より加速する可能性がある」との声が聞こえる。

5日には9月の米雇用統計の発表を控える。平均時給の上昇ペースに弾みがつくと、落ち着いていた米長期金利が急に動きだすかもしれない。賃金の上昇は本来好ましいが、低金利にとどまるいまの市場にとっては均衡が突然崩れかねない危うさをはらむ。そうなると株安や円高を招きかねず、適温相場が終わりを迎える可能性もある。

(後藤達也)

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