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変幻自在の騎乗 「マジックマン」の衝撃波

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2018/10/6 6:30
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2日午前、千葉県白井市の日本中央競馬会(JRA)競馬学校。普段は中央競馬の騎手や厩務員を目指す人々が学ぶ場所で、この日は取材陣が一人のブラジル人を待ち構えていた。騎手のジョアン・モレイラ(35)。午前10時から行われた2019年度のJRA騎手免許試験の1次(筆記)に臨んでいた。JRAは14年度から英語で筆記試験を受験する道を開き、今年の最多勝レースを先導するクリストフ・ルメール(39、フランス)、2位のミルコ・デムーロ(39、イタリア)は、15年度に試験を突破して通年免許を得た。モレイラが目指すのも2人と同じ道である。

JRA騎手免許試験受験後、取材に応じたモレイラ

JRA騎手免許試験受験後、取材に応じたモレイラ

試験は午前11時半に終了し、黒のスーツ、黒のネクタイのモレイラが現れた。疲れの色が明らかな表情。「難しい(試験)と聞いていたが、想像以上だった。90分、一生懸命書き続け、首が痛くなった」と話した。筆記試験の類いは12年ぶりといい、「時間配分が難しく、答えきれない設問もあった」。成否については「フィフティフィフティ」と両手を広げてみせた。

香港のスーパースター、日本目指す

モレイラのJRA参戦の考えが伝えられたのは今年6月7日。従来、拠点を置いていた香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポスト(電子版)が報道した。記事が掲載された時期は、18~19年シーズンの香港ジョッキークラブの騎手免許申請の締め切りに当たり、モレイラは更新を申請せず、同紙に日本進出の意思を語った。

モレイラは01年に母国のブラジルで騎手デビューし、南アフリカなどでも活躍した後、09年にシンガポールに拠点を移し、4季連続の最多勝を達成。12年には206勝を記録した。13年から香港に進出し、13~14年シーズンは途中からの参入で97勝をあげて2位。翌14~15年シーズンからは3季連続で2位を引き離して最多勝を飾った。17年3月5日には香港で最多となる1日8勝もあげた。

こうして香港では「雷神」「マジックマン」と異名を取るようになったモレイラは、時期を同じくして日本にも足を踏み入れる。14年の安田記念(グロリアスデイズ=6着)で国内初参戦。翌15年から夏の札幌に限って外国人短期免許で騎乗。札幌でも短期間で関係者、ファンに強烈な印象を残した。15~17年で124戦31勝。25%の驚異的な勝率を記録し、今夏は4週だけで75戦31勝。勝率41.3%。試験を前にした9月29日から、再び短期免許(最大で1年に3カ月騎乗可能)で中山に参戦し、2日で騎乗機会4連勝を含む16戦7勝。初騎乗の舞台で自在のレース運びをみせ、勝ち星を38に。JRAは年間52週の施行。5週で38勝だから、年間400勝近いペースだ。

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