2019年7月22日(月)

欧州で脱ディーゼル急ぐ パリ自動車ショー開幕 最新の電動車両披露

2018/10/2 20:33
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【パリ=川上宗馬】パリ国際自動車ショーが2日、開幕した。独ダイムラーや仏グループPSAなどが最新の電動車両を披露した。欧州各国ではディーゼル車への規制が強まるなか、電気自動車(EV)の販売も思うように伸びていない。欧州はディーゼル車の販売比率が他地域より高い。EVやハイブリッド車(HV)に注力し「脱ディーゼル」を急ぐ。

「これまでのメルセデスの本当の代替になるEVを投入していく」。19年5月の退任を表明している独ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長は2日の記者発表会でこう強調した。

同社が披露したのは往年の名車を意識したEVのコンセプトカー「EQシルバーアロー」。ツェッチェ氏は「二酸化炭素(CO2)の排出量を減らすだけでなく、顧客がアゴを落とすぐらい楽しいクルマになる」と語る。

今回のショーでは欧州各社がこれまで環境車の主力としてきたディーゼル車は影を潜めた。ディーゼルはガソリン車よりもCO2排出量が少なく、燃料も軽油を使うため維持費も安い。効率の良さから今もインドなど新興国で一定の支持がある。

転換点となったのが15年に米国で発覚した独フォルクスワーゲン(VW)によるディーゼル車の排ガス不正事件だ。ディーゼルへのイメージが悪化するとともに各国での規制も強まる。英仏は40年までにガソリン車やディーゼル車販売を禁止し、ドイツでも都市部での乗り入れを規制する。

米ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)によると16年の世界販売でディーゼル比率は19%だったが、欧州では48%も占めた。ただ、今後は急速なディーゼル離れが加速し、30年には12%まで落ち込むと予測。一方でEVやプラグインハイブリッド車(PHV)、HVといった電動車の比率は55%に高まる。

こうした動きに車各社も対応を急ぐ。独ポルシェは9月、ディーゼル車の販売から撤退すると発表。日本勢もトヨタ自動車が欧州でディーゼル乗用車からの撤退を決めており、日産も今後の新型車には搭載せず、ホンダも段階的に販売を縮小する。一方でディーゼル技術に強みを持つマツダは電動モーターと組み合わせたディーゼルHVを発売する方針だ。

2日のショーでも各社の展示の中心は電動車両だった。メルセデス・ベンツブランドでは高級多目的スポーツ車(SUV)「GLE」をパリショーで初披露した。PHVモデルの場合、EVモードで100キロメートルの航続距離を達成した。主力車種の「Cクラス」や「Eクラス」をベースにした高性能モデル「AMG43シリーズ」に初めてHVを搭載。電動化モデルの商品群を充実する。

PSAはプジョーブランドのEVのコンセプトカー「504クーペ」を発表。シトロエンブランドでは初のPHV「C5エアクロス」を20年に発売する。

同グループの高級車ブランドDSは25年以降に発売するすべての新型車に電動化技術を搭載する方針だ。その足掛かりとなる新型EVを公表したほか、PHVを搭載した「DS7クロスバック」を発表した。

部品メーカーも電動化の流れに対応する。仏自動車部品大手のヴァレオは48ボルトの低電圧の電動製品を発表した。これまで主にHV向けに提供していたが、PHVやEVにも対象を広げる。都市部での近距離移動を想定し、高電圧のEVに比べてコストを2割程度抑えられるという。欧州で今後拡大が予想される都市部でのディーゼル車乗り入れ規制によって需要が高まると見込む。

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