2019年8月25日(日)

英国民、EU離脱で「外国人」に 携帯・免許で混乱も

2018/10/3 5:50
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英国が欧州連合(EU)から離脱する交渉が決裂して「合意なし離脱」となれば、影響は企業だけでなく個人にも及ぶ。英政府が3度にわたり公表した対応策によると、これまでEUの一員として享受してきた免除規定がなくなり、日常生活の面でもコストが上昇する可能性が浮かび上がる。

EU離脱で混乱が懸念される英ドーバー港(9月28日)

欧州大陸での英国人の扱いは日本人や米国人などの外国人と同じになる。たとえば携帯電話。欧州での通話やデータ通信は国内扱いで料金プランに含まれていたが、離脱後は有料の国際電話になる。英国の運転免許もEU域内で使えず、EU免許か国際免許が求められる。パスポートの残存期間も6カ月以上必要だ。

個人の負担が大きくなり、入国審査などで混乱も予想される。あずさ監査法人の三浦洋専務理事は「ヒト・モノの往来に重要な影響が出る可能性がある」と指摘する。欧州で事業展開する日本企業は人材の採用・移動のコスト増も考慮しなければならない。

企業にとっては、欧州大陸との貿易で関税や通関手続きが発生し、当面の在庫や対応職員の確保を迫られる。銀行や保険、製薬会社などはこれまで共通だったEUの基準が適用されなくなる。英とEUで事業を展開する場合、両方で認可を取得する必要がある。

自動車メーカーにも大きな影響が及ぶ。部品の流通だけでなく、英国と欧州の両方で新車の型式認証を取得する必要がある。認証を申請する拠点や職員も英欧に用意する必要がありそうだ。

食品関連では、英国の有機食品などの認定はEUの基準に準じる見通しだが、EU基準の認定マークは使用できない。英国とEUの両方の認定マークを食品に付けて出荷することになる。

日本貿易振興機構(ジェトロ)の2017年12月の調査では、在英の日系企業の48%が「離脱はマイナスの影響がある」と予測したが「特段の準備・対応は必要がない」との回答も32%あった。PwC税理士法人の村上高士パートナーは「危機感を強める日本企業は増えているが、具体策まで踏み込んで準備している企業は少ない」と指摘する。(押野真也)

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