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トヨタ、英で一時的に生産休止も 合意なし離脱なら

【パリ=深尾幸生】トヨタ自動車は1日、英国の欧州連合(EU)離脱が条件合意のない「合意なし離脱」になった場合、英国での生産を一時的に休止すると明言した。英国とEUとの間で物流が混乱し、部品を調達できなくなるため。ディディエ・ルロワ副社長(欧州トヨタ会長)は「数日から数週間、大混乱が生じる。生産休止を避ける方法はない」と述べた。

合意なし離脱ならトヨタの英バーナストン工場からの出荷が止まるおそれも=ロイター

2日に開幕するパリ国際自動車ショーを前に日本経済新聞などの取材に明らかにした。ルロワ副社長は「工場が競争力を保てるなら困難な決定をする理由はない」と述べ、英政府に無関税や、モノの自由な移動の維持を求めた。

トヨタは英国中部のバーナストン工場で2017年に14万4千台を生産した。部品の多くはEUから調達し、完成車の8割をEU27カ国に輸出している。生産効率を高めるため、部品の在庫を4時間分しか持たない。1日に50台のトラックがドーバー海峡を渡って工場に部品を納めており、部品の流れが滞ると自動車生産はすぐに止まってしまう。

17年にバーナストン工場への追加投資を発表。現在は19年初めに発売する新型「カローラ(旧オーリス)」の生産準備を進めている。英国がEUを離脱する19年3月は、本来なら高水準の生産を見込んでいるが、一時的な生産休止となれば販売の混乱は避けられない。

損失額についてヨハン・ファンゼイル専務役員(欧州トヨタ最高経営責任者)は「はっきり言うのは難しいが、極めて大きい。一日600台の生産が失われる。耐えられる金額ではない」と強調した。

ファンゼイル専務役員は将来の投資の見直しも示唆した。「英国生産の競争力が失われれば真剣に将来の事業と投資を見直す必要が生じる」と述べた。同氏はトヨタなど自動車大手が軒並み生産から撤退したオーストラリアを引き合いに出し、「豪州に起きたことが英国に起きないとはかぎらない」と強い口調で英政府に警告した。

英国に工場を構える自動車大手では、独BMWが「ミニ」を生産するオックスフォード工場で19年4月から約1カ月、生産を止めることをすでに決めている。夏場の設備補修のための期間を前倒しし、合意なし離脱による混乱に備える。

トヨタは同様の措置については「可能だが、決定するにはまだ早い」(ルロワ氏)と今後の交渉の進展を見守る考えを示した。

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