米ファイザー、リードCEO退任へ ブーラ氏が昇格
【サンフランシスコ=西邨紘子】米ファイザーは1日、イアン・リード最高経営責任者(CEO、65)が2019年1月1日付でCEO職を退き、会長に就くと発表した。後任にはアルバート・ブーラ最高執行責任者(COO、56)が昇格する。リード氏は積極的なリストラや企業買収で大型薬の特許失効に備えてきた。今後の成長に向け土台が固まったと見てトップ交代を決めたもようだ。
リード氏は今回の人事について「リーダーシップ交代には今が適切なタイミング」と説明した。直近では病院向け医療用品で大手の米ホスピーラの買収を完了し、開発中のパイプラインには近く実用化が期待される新薬候補がそろう。
また、リード氏は一貫して米企業の競争力維持のため法人税減税を求め、薬価設定についてトランプ大統領と一対一で会合を持つなど高い政治力を発揮してきた。
ブーラ氏はファイザーで25年のキャリアを持つ生え抜き。抗炎症・抗体、ワクチン、がんなど幅広い分野で大型薬の実用化などに貢献した功績が買われた。18年1月にCOOに就任していた。