2018年11月16日(金)

GEのフラナリーCEOが退任 業績悪化で引責

エレクトロニクス
自動車・機械
北米
2018/10/1 23:30
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【ニューヨーク=中山修志】米ゼネラル・エレクトリック(GE)は1日、ジョン・フラナリー最高経営責任者(CEO)が同日付で退任したと発表した。昨年8月に就任したフラナリー氏はヘルスケア事業の分離など経営のスリム化を推し進めたが、業績悪化と株価低迷の責任を取って退く。米国を代表する名門企業のトップが1年あまりで交代する異例の事態となった。

GEのフラナリー氏は業績悪化と株価低迷の責任をとってCEOを退いた

GEのフラナリー氏は業績悪化と株価低迷の責任をとってCEOを退いた

後任CEOには2000年から14年まで米産業機器大手ダナハーのCEOを務めたローレンス・カルプ氏が就く。GEのCEOに外部の人材が就くのは初めてだ。

GEは生え抜きの人材が長期間にわたって経営トップを務めるのが慣例だった。1981年に当時最年少の45歳で会長に就任したジャック・ウェルチ氏は「選択と集中」をキーワードに掲げ、金融や放送事業への参入など複合経営にかじを切った。大規模なリストラと新規事業の拡大により、約20年の在任期間に株価を30倍に引き上げた。

だが、ウェルチ氏が力を注いだ金融事業はその後の金融危機で巨額の損失を発生させた。2001年にCEOに就いたジェフ・イメルト氏は16年の在任中に金融事業や放送事業からの撤退を進めたが、負の遺産を一掃できないままフラナリー氏に経営を委ねた。

フラナリー氏は財務の立て直しをめざし2兆円規模の事業売却計画を公表。電力・航空・ヘルスケアの3部門を柱とする事業再編を進めた。イメルト時代に買収を決めた米石油サービス会社のベイカー・ヒューズの売却や、祖業の電気照明事業からの撤退も決めた。

GEは主力の電力事業の低迷が続き、金融事業でも巨額の評価損が発生。17年10~12月期には98億ドル(約1兆円)の最終赤字を計上した。ヘルスケア事業の分離を発表した今年6月の時点ではフラナリー氏は「GEをより簡素化・強化させながら、引き続き経営とバランスシートの改善に努める」とコメントし、経営に意欲を示していた。

だが結局、フラナリー氏のめざす路線が具現化しないまま、同氏は前任者たちの負の遺産の処理に当たるだけ。リストラ頼みの経営方針は投資家の信頼を失い、株価は就任から1年あまりで半分以下に下落。17年からGEの取締役会にはアクティビスト(物言う株主)も加わり、辞任圧力が強まっていたとみられる。

今年6月には110年以上守ってきたダウ工業株30種平均の構成銘柄からも除外された。米アップルや米グーグルの親会社アルファベットなどと対照的に、かつて米国を代表した企業の面影は見えなくなっていた。

GEの1日の発表文によると、電力事業の評価の見直しによって7~9月期に減損損失を計上する見通しという。GEは損失額を算定中だが、電力事業ののれん代は約230億ドル(約2兆6000億円)にのぼり、18年12月期は2期連続の大幅赤字に陥る可能性がある。

生え抜き以外から初めてCEOに就くカルプ氏は、ダナハーCEOとしての14年間の在任中に売上高と時価総額を5倍に引き上げた。同日の発表文で「GEは根本的には偉大な事業と人材を持つ強い会社だ。新しい経営陣のもとで財務体質の強化に取り組み、我々は、GEの価値を解き放つ努力をする」とコメントした。

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