2019年4月19日(金)

神奈川県、セーリング普及に力 W杯で課題も

2018/10/1 22:00
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神奈川県がセーリングの普及に励んでいる。2020年東京五輪では藤沢市の江の島がセーリングの競技会場となる。親子向けの体験会などを実施し、開催機運を盛り上げていくのが狙いだ。9月9~16日にはテスト大会と位置付けるワールドカップ(W杯)を江の島で開いたが、運営面などでは課題も多く見つかった。

W杯では大型ビジョンでレースを見られるようにした

「スタートラインに選手が並びました」「この順位を維持すれば表彰台が決まります」。W杯の決勝戦があった15~16日、江の島の護岸付近にはパブリックビューイング(PV)用の大型ビジョンが登場。国際大会の出場経験者が解説し、海上の熱戦を観客に届けていた。

セーリングは帆が受ける風を動力に海上の指定されたルートを走る速さを競う。今大会のレース海面は最も近いところでも陸から200~300メートル離れ、双眼鏡なしにレースを把握するのは難しい。大型ビジョンはセーリングの魅力を多くの人に知ってもらおうと設置した。

「サッカーW杯のようにセーリングも盛り上げたい」。大会の実行委員会にも加わった神奈川県の黒岩祐治知事は強調する。千葉市美浜区や愛知県蒲郡市などと誘致を競い、江の島が五輪のセーリング会場に選ばれたのは15年。以来、県は体験会を定期的に開くなどセーリングの普及に取り組んできた。

五輪に向けたテスト大会となるW杯ではPVのほか、海上から観戦できる帆船も用意。期間中の来場者は延べ約2万人で、実行委員会の末木創造会長は「国内で開かれる他のセーリング大会に比べるとよく人が集まった」と話す。

ただ、集客面での評価は分かれる。会場近くに釣りに訪れた20代の男性は「こんなに護岸に人がいるのは初めて」と驚く一方、地元の飲食店からは「思ったより売り上げは伸びなかった」との声が出た。競技のルールを知らない人も多く、観客からは「楽しみ方をもっと伝えてほしかった」との不満も聞こえた。

国際大会ならではの課題も残った。開会式では披露したイルカショーが動物愛護の観点で海外選手から批判を浴び、国際統括団体のワールドセーリングも「容認できない」と抗議した。競技初日には周辺の漁業者と決めた時間以外にレースを実施してしまうトラブルもあった。実行委員会からレースを取り仕切る国際団体に十分に説明が伝わっていなかったためだ。

県セーリング課は「課題を洗い出すのがW杯。次に生かしたい」と話す。五輪を前に、19年には再度江の島でW杯を開催する。体験会の開催をさらに増やすなどして普及に一段と力を入れるともに、漁業者や国際団体との協議を進めていく方針だ。(浦崎唯美子)

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