2019年4月24日(水)

「ダイナミック値付け」共同研究 フォルシア・京大

2018/10/1 13:10
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情報検索システムを開発するフォルシア(東京・新宿、屋代浩子社長)は、京都大学と需給に応じて価格を変動させる「ダイナミックプライシング」に関する共同研究を始める。金融市場の分析に使われる数理モデルを使い、個人の利用動向や空き状況に応じた値付けの方法を研究する。変動価格は宿泊や航空券など旅行分野で導入済みだが、医療やレジャーなど幅広い分野に応用できる理論の創出をめざす。

9月28日、ダイナミックプライシングに関する共同研究開始を発表したフォルシアの屋代社長(中央左)、京大の梅野教授(同右)ら

京都大学大学院情報学研究科の梅野健教授と連携する。梅野教授は株価や為替など金融市場の価格変動や地震が起こる間隔などを対象に新しい統計法則の研究を手がけている。梅野教授は「ダイナミックプライシングに関する理論は世の中にほとんどない。最適な価格設定を通じて価格の公正性を担保し、有限な資源を最適に配分したい」と狙いを説明する。

変動価格の活用が進んでいるのは旅行業界だ。航空券やホテルは繁忙期に価格を高くし、閑散期に安くする手法が定着している。テーマパークやプロ野球のチケットなどでも導入の動きが出ている。ただ、病院などの医療現場や映画などのレジャー関連での利用は限定的だ。旅行や出張と比べて、「この日でないと行けない」という利用タイミングの制約が高くないことが背景にあるという。

フォルシアで共同研究を担当する新谷健氏は「(旅行も映画も)枠を埋めるという構造は同じ。個人の利用状況や空き状況に応じた値付けをすることで、幅広いサービスの機会損失や在庫ロスの解消につなげたい」と語る。例えば映画館では現在も女性やシニアに対して割引制度を設けている。今後は空席状況や天候、個人の関心などに合わせて顧客や時間ごとに料金を変動させることで、収入を最大化できる可能性があるとみている。

フォルシアは検索システム事業が主力で、JTBなど大手企業が運営する旅行予約サイトの約8割が同社のシステムを導入している。今後、共同研究に必要なデータ提供などの協力を旅行会社に働きかける考え。教育、医療、レジャーなどの幅広い業界にダイナミックプライシングの応用範囲を広げ、2年後をめどに新サービス創出を目指す。  (鈴木健二朗)

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