2019年4月23日(火)

農家5人が生んだ焼酎人気 福島から世界に挑戦

2018/10/1 10:03
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福島県の山あいにある只見町で、5人の農家が生み出した米焼酎「ねっか」に国内外の視線が集まっている。自ら栽培したコメだけを使い、香り高くフルーティーな味わい。2017年4月に販売開始後、英国での品評会で2年連続入賞の快挙を成し遂げた。

焼酎の保存庫で笑顔を見せる脇坂斉弘さん(8月、福島県只見町)=共同

新潟県との県境に近い農村地帯の田んぼのそばに、合同会社ねっかの蒸留所がある。空き家を改装した木造2階建て。焼酎の名前は「全く問題ない」という意味の地元の方言、「ねっかさすけねぇー」から取った。物事に前向きに取り組んでいく思いを込めた。

販路拡大に向けコメの新たな使い道を模索していた代表社員の脇坂斉弘さん(43)らは15年12月ごろ、高知県本山町の会社が一から米焼酎造りに成功した実例を聞きつけた。現地で田んぼや蒸留の様子を見学したものの、日本酒の蔵元で働いたことがある脇坂さん以外、酒造りは未経験。

特産の南郷トマトやコメをつくっている仲間とともに、知人のアドバイスや見よう見まねで試行錯誤し17年2月、初蒸留にこぎつけた。

山内征久さん(47)は「ねっかには豊かな味と香りがある。ぜひ飲んでほしい」と自信をのぞかせる。食中酒としてすしや肉料理に合うほか、甘みが強い南郷トマトのジュースで割るのもお勧めだという。

地域の自信につながればと17年、英国で開かれる「インターナショナルワイン&スピリッツコンペティション」に応募すると、いきなり銀賞を獲得。翌年も続いた。脇坂さんは「海外の人にもコメの良さを分かってもらえるんだなって思った」とはにかむ。ねっかは精米歩合やコメの種類が異なる3種類の焼酎を中心に販売し、今年は約3万本の出荷を見込む。

町の人口は1955年の約1万3千人をピークに減り、現在は4千人余り。高齢化率は約45%に上る。脇坂さんらは焼酎を通じ、町の良さを次世代に引き継ごうと、地元の小学生や高校生が植えたコメでねっかを造った上、成人式の際にプレゼントする計画も進める。「蒸留所を少しずつだが大きくし、若者が戻ってきた時の受け皿になりたい」〔共同〕

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