軽い運動で記憶力アップ 筑波大が実験
わずか10分間の軽い運動で記憶をつかさどる脳の海馬が刺激され、直後の記憶力が高まることを明らかにしたと、1日までに筑波大の研究チームが米科学誌に発表した。征矢英昭教授は「ヨガや太極拳といった手軽な運動で効果を得られる。認知症などの患者や高齢者、子供の記憶能力維持や改善に役立てたい」と話す。
20代の健康な男女36人に、10分間ペダルをこぐ極めて軽い運動をした直後に、食べ物や植物などが写った画像を600枚ほど見てもらい、どの程度正確に記憶できるかを調べた。
運動直後の人は、運動をしなかった人と比較すると画像のより細かいところまで正確に覚えられることが分かった。
運動直後の脳の透視画像では、画像の細かい違いなど似ているようで異なる記憶を区別する「海馬歯状回」周辺が特に活発になり、頻繁に情報のやりとりをしていた。征矢教授は「動物実験では軽い運動が記憶に良いと分かっていたが、人でも証明できた」と話している。〔共同〕