株高、内需がけん引 医薬や小売り、貿易戦争の影響回避

2018/9/28 20:00
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28日の東京株式市場で日経平均株価が反発し、上げ幅は300円を超えた。年初来高値を付けた1月23日と比べた個別銘柄の騰落をみると、上昇率が高かったのは業績が安定している医薬や小売りなどのディフェンシブ銘柄。一方で下落率上位には非鉄と電機が並んだ。米中貿易摩擦が激化する中で、投資マネーは内需の優良株に流れ込んだ。

日経平均を構成する225銘柄を対象に、1月23日と9月28日の株価を比較した。日経平均の水準はほぼ横ばいだが、投資家が資金を投じる銘柄は大きく入れ替わっている。

上昇率の上位はエーザイ大日本住友製薬ユニー・ファミリーマートホールディングスなどが並んだ。医薬と小売りで10銘柄中7銘柄を占めた。共通するのは、世界景気の動向に左右されにくい点。業種別で見ても石油や通信、ガスなどの上昇が目立ち、株高局面でむしろ投資家は安定志向を強めていったのがわかる。

ディフェンシブ相場を主導したのはグロース(成長)株を好む海外投資家の買いだ。三菱UFJ国際投信の小山洋美氏は「貿易問題を背景に世界経済の先行き懸念があるなかで、外需の成長株は手がけにくかった」と指摘する。結果として医薬や小売りといった内需の成長株が選好された。

一方で下落率の上位はフジクラやパイオニアなどが入った。この2銘柄は業績不振が主因だが、これに三井金属SUMCO安川電機が続いた。非鉄と電機だけで下落率上位10銘柄のすべてを占めた。

非鉄や電機には、半導体関連やファクトリーオートメーション(FA)関連銘柄が多い。中国の工業高度化の進展を受けて株価は堅調だったが、深刻化する米中貿易摩擦が冷や水を浴びせた。前年度に株価が急上昇した銘柄も多く、上半期の運用成績を確保するために売られた側面もありそうだ。

大和住銀投信投資顧問の小出修氏は半導体やFA関連銘柄について「中国での設備投資の見送りなど業績面にマイナスの要因が出てきたことも大きい」と指摘する。半導体需要が長期的に拡大し続ける「スーパーサイクル」に懐疑的な見方が出ているのも同根だ。

貿易問題への懸念は消えたわけではないが、「新興国の株式市場が戻り基調で、投資家はよりリスクを取れるようになってきた」(大和証券の壁谷洋和氏)との声もある。日経平均が年初来高値を超える水準で定着していくには、上半期は敬遠されたハイテクや半導体などが再び物色されるかがカギになりそうだ。

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