2018年12月17日(月)

LINE、独自コイン「LINK」の詳細発表 投稿に報酬

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2018/9/28 18:00
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LINEは2018年9月27日、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を基盤とした「LINE Token Economy」構想と分散アプリケーション「dApp」について発表した。同社は6月の事業説明会で構想を明らかにし、8月31日には独自に構築したブロックチェーン基盤「LINK Chain」上で独自コイン「LINK」を発行することを発表済み。今回の発表会では、LINKを基盤としたサービス「dApp」の詳細やロードマップが語られた。

LINEの出沢剛社長(撮影:山口健太)

LINEの出沢剛社長(撮影:山口健太)

■LINEポイントと交換

発表会には、LINE代表取締役社長最高経営責任者(CEO)の出沢剛氏が登壇。背景として、「ブロックチェーンの登場により、インターネットやスマートフォン(スマホ)の登場に匹敵する技術的パラダイムシフトが起こりつつある」と語った。

ブロックチェーン技術について、「従来の中央集権的なシステムとは異なり、多くの参加者が取引の台帳を共有し合うことが特徴。第1世代では仮想通貨、第2世代では(契約内容をブロックチェーンで管理する)スマートコントラクトなど通貨以外への応用が進み、第3世代では社会のあらゆるシーンで活用されるようになる」(出沢氏)と説明した。

そこでLINEは、韓国ICONと共同で「LINK Chain」を構築。速度が問題になりがちなブロックチェーンにおいて、1秒間に1000以上のトランザクション処理を実現したという。その上に汎用コインとして海外向けに「LINK」、国内向けには「LINK Point」を発行し、様々な種類の分散アプリケーション「dApp」の利用を通して流通させるという。

「LINE Token Economy」の概念図(撮影:山口健太)

「LINE Token Economy」の概念図(撮影:山口健太)

LINEの狙いについて、「消費者は情報を消費するだけでなく、SNSや口コミサイトへの投稿によりサービスに貢献してきた。こうした貢献に報酬を配分するには技術的なハードルがあったが、ブロックチェーン技術により解決できる。報酬としてトークンを受け取り、サービスの成長によりトークンの価値自体も上がっていくスパイラルを作りたい」(出沢氏)とした。

LINKは法制度の理由で海外と日本で分離しており、海外向けのLINKは、LINEが運営する海外向け仮想通貨交換所「BITBOX」で10月16日より他の仮想通貨と交換できる。ただし日本と米国でBITBOXは利用できず、米国におけるLINKの現金化は未定としている。国内向けに発行するLINK Pointは「1 LINK Point=500 LINEポイント」の比率でLINEポイントへと一方通行で交換できる。

サービス開始当初の総発行量は10億LINKで、うち80%はdAppsを通してユーザーに付与し、20%は予備とした。ブロックチェーン上でやり取りされるすべての取引は「LINK SCAN」というウェブサイトで可視化することで透明性を確保する。

LINKとして仮想通貨技術を使った資金調達ICO(イニシャル・コイン・オファリング)について、「ICOはしない。ブロックチェーンには投機的な目的での参入も多く玉石混交だが、LINEはサービス中心、ユーザー中心のアプローチでやっていく」(出沢氏)と語った。セキュリティー面ではLINKがプライベートブロックチェーンであることを強調し、「月間2億人が使うLINEを7年間にわたって運用してきた、インフラとセキュリティーのノウハウを結集した」(同)と語った。

■年内に5つのdApp提供

Token Economy構想やdAppの詳細に関する説明では、LINE 取締役最高戦略マーケティング責任者(CSMO)の舛田淳氏が登壇。「dAppの登場により、iPhoneの登場でパソコンからスマホにアプリ開発の軸が移ったようなパラダイムシフトが起きようとしている。LINEは成功し、会社として大きな規模になってきたが、たくさんの小さなチームでスモールプロダクトを作ることをもう一度やりたい」と語った。

LINEの舛田淳CSMO(撮影:山口健太)

LINEの舛田淳CSMO(撮影:山口健太)

具体的なdAppとして、当初は「知識」「予想」「商品」「グルメ」「ロケーション」の5つの分野において、LINKを基盤としたサービスをローンチしていく。提供形態はウェブサイトやスマートフォン向けのアプリとなる。

「知識」分野ではQ&Aサービス「Wizball」を提供する。「Q&Aサイトはパソコンの時代からあるが、回答の品質や専門性が確保されていない。専門性の高い回答をコンスタントに得るには報酬が必要だ」(舛田氏)と指摘。Wizballでは150人以上の専門家を用意し、ユーザーによる質問や回答、投票といった貢献に対してLINKを付与する。すでにベータ版のウェブサイトを公開しており、10月下旬にはスマートフォンアプリも提供予定とした。

「予想」分野では未来予想プラットフォーム「4CAST」を提供する。運営側から出された「お題」に対して、当たった人、投票した人にLINKが付与されるサービスで、現在はベータ版を提供している。19年にはユーザーがお題を出せるようになるという。

LINKを基盤としたQ&Aサービス「Wizball」(撮影:山口健太)

LINKを基盤としたQ&Aサービス「Wizball」(撮影:山口健太)

未来予想プラットフォーム「4CAST」(撮影:山口健太)

未来予想プラットフォーム「4CAST」(撮影:山口健太)


他にも「商品」分野では「Pasha」を提供。商品を撮影し、レビューを投稿すると報酬を得られる。「グルメ」分野では飲食店のレシートを撮影してレビューができる「TAPAS」を提供。「ロケーション」分野では位置情報の共有により旅行の思い出をまとめるサービス「STEP(仮)」を、いずれも18年中に提供するとした。

年内に合計5種類の「dApp」を提供(撮影:山口健太)

年内に合計5種類の「dApp」を提供(撮影:山口健太)

今後のロードマップも明らかにした。第1フェーズでは自社でdAppを提供し、第2フェーズではLINE LIVEなど既存のCGM(消費者生成メディア)サービスにも展開。第3フェーズではサードパーティに開放する。18年12月には開発者向けキット「LDK」をリリースし、19年にはLINKプロトコルのリリースによるパブリックブロックチェーン化を予定しているとした。

(ライター 山口健太)

[日経 xTECH 2018年9月27日掲載]

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