コムキャスト、スカイ完全子会社化へ 動画配信に注力
【ニューヨーク=平野麻理子】米欧をまたいだ巨大メディア再編に26日、決着のメドが立った。米メディア大手21世紀フォックスは同日、米同業コムキャストに英有料放送局スカイ株39%を売却する意向を示した。これにより、コムキャストは欧州に2300万人の契約者を抱えるスカイを完全に手中に収め、欧州でも存在感を増している動画配信のネットフリックスに対抗する。
フォックスは英当局が22日に実施したスカイ株の買い手を決める入札でコムキャストに敗れた。フォックスは2018年7月にコンテンツ事業の大半を米ウォルト・ディズニーに713億ドル(約8兆円)で売却することを決定。その中にはフォックス保有のスカイ株39%も含まれていたが、ディズニーは今回フォックスのスカイ株売却の決断を支持するとの声明を出した。
コムキャストやディズニーがライバル視するネットフリックスは、欧州でも現地コンテンツを次々制作し、会員を増やしている。業界推計ではネットフリックスの欧州での会員数は現在3500万人程度だが、23年には5700万人に届く見込み。
スカイは有料放送の他にインターネット通信も手掛け、その接続を使って自社で動画配信事業にも参入している。コムキャストはスカイの持つ強固な顧客基盤と配信技術を組み合わせ、ネットフリックスの侵攻を食い止める必要がある。