居間で「仮想」テニスも フェイスブックがVR新製品

2018/9/27 11:17
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【シリコンバレー=中西豊紀】米フェイスブックは26日、パソコンにつながなくても実世界に近い感覚でコンテンツを楽しめる仮想現実感(VR)用機器の新機種を発表した。価格は399ドル(約4万5000円)で2019年春から発売する。パソコンから専用の機種まで外部のソフト開発が関われる「端末」を増やし、VR業界の裾野を広げる狙いがある。

VRの新機種を説明するフェイスブックのザッカーバーグCEO(26日、サンノゼ市)

VR空間でテニスをする記者(26日、サンノゼ市)※ボールは飾り。

VR子会社のオキュラスがカリフォルニア州のサンノゼ市で開いたイベントで公表した。名称は「オキュラス・クエスト」で、頭からかぶるヘッドセットで仮想の世界を視聴し、両手に握るコントローラーで画面を操作する。センサーがユーザーの位置を把握し、居間を仮想のテニスコートに置き換え飛んできたボールを仮想のラケットで打つといった複雑な操作が可能になる。

VRの業界ではこうした機能はこれまではパソコンや専用ゲーム機に接続しないと難しいとされてきた。ただ、その場合はヘッドセットに配線が必要になりユーザーは動きが制約される。一部の愛好家にとどまらず一般層にもユーザーを増やすには、独立して使える高機能のVR専用端末の開発が課題で、今回はそれを実現した形だ。

オキュラスのVR端末は現在、パソコンとつなぐ「リフト」(399ドル)と、独立型ながら機能をおさえて廉価にした入門者向けの「ゴー」(199ドル)がある。リフトはユーザーが限られる一方でゴーもできるゲームに限りがあり、ソフト会社にとっては協業しにくい。「クエスト」はその間をとることでユーザーとソフト会社それぞれの裾野の拡大を狙いたい考えだ。

調査会社のトレンドフォースによるとVRのヘッドセットのシェアは18年でソニーが43%と首位。オキュラスは19.4%とその次を行く。ただ、現時点はメーカー間のシェア争いよりもVR市場の確立が業界にとっての喫緊の課題だ。クエストに使う半導体はゴーとは別で規模の経済が働かない。それでも価格を抑えることで普及を優先したとみられる。

イベントに登壇したフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は「(外部の開発者など)VRの経済圏全体で利益が出るようにしないといけない。そのためには(オキュラスだけで)1000万人のユーザーが必要だ」と発言。今回のクエストの投入で、VRのプラットフォーム戦略をさらに強化する考えを示した。

一方でフェイスブックはVRを同社の交流サイト(SNS)戦略の一環としても位置づけている。オキュラスのプロダクトマネジャー、ショーン・リュー氏は「遠隔地の人同士がVRで会議をするなど、最終的にはひとのつながりを強めたい」と話す。ザッカーバーグ氏はオキュラスのユーザー目標数を「10億人」と公言している。

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