2018年12月12日(水)

物品貿易協定の交渉開始 日米首脳会談 車関税は当面回避

日米首脳会談
政治
2018/9/27 9:55
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【ニューヨーク=地曳航也】安倍晋三首相は26日午後(日本時間27日未明)、ニューヨーク市内のホテルでトランプ米大統領と約1時間15分会談した。農産品などの関税を含む2国間の「物品貿易協定」(TAG)の交渉開始で合意した。日本政府の説明では、協議中は米政府が自動車への追加関税は発動しないことで一致。米側の高関税措置を当面は回避した。

会談後、日米両政府は貿易分野の成果を盛り込んだ共同声明を発表した。

首相は会談後の記者会見で「日本の自動車に対して、米通商拡大法232条に基づく追加関税が課されることはないことを確認した」と強調した。共同声明には「協議が行われている間、声明の精神に反する行動を取らない」と明記した。

首相は会談で、農産品の扱いについて、過去に結んだ経済連携協定(EPA)水準までしか下げない方針を伝えた。米国抜きで発効する環太平洋経済連携協定(TPP)の合意水準を上限とすることが念頭にある。日本側によると、トランプ氏は尊重する考えを示した。共同声明でも、過去のEPAで約束した内容が最大限の譲歩となると盛り込んだ。

首脳会談に同席した茂木敏充経済財政・再生相によると、首脳会談で為替や自動車輸出の数量規制などの議論はなかった。日本政府は米国が求める2国間協定の交渉開始には応じる一方、自動車の追加関税の当面回避に道筋を付けた。ただ、11月に中間選挙を控えるトランプ政権が対日交渉で厳しい要求を迫る可能性もある。

通商交渉の手続きを定めた米国の貿易促進権限(TPA)法は通商交渉を始める場合、少なくとも90日前までに議会に通知するよう大統領に求める。交渉開始は年明けになるもようだ。

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は26日の電話会見で、日本との交渉入りについて27日に議会と協議すると明らかにした。物品の関税や非関税障壁を巡る協議で議会の手続きが不要な範囲では「今後数カ月のうちに迅速な成果を出せるだろう」と述べ、一定の成果獲得を急ぐ考えを示した。自動車の安全基準緩和などが念頭にあるとみられる。

パーデュー米農務長官は「米国の農産品にとって日本は重要な顧客だ」と輸出拡大に期待する声明を発表した。

日米首脳会談では北朝鮮問題も協議した。日本政府の説明によると、北朝鮮の非核化に向け国連安全保障理事会の制裁決議の完全な履行で合意した。日米、日米韓の緊密な連携のほか、日本人拉致問題の解決をめざした協力も申し合わせた。

トランプ氏は会談で「早いうちに米朝首脳会談をもう一度実施したい」と語った。ホワイトハウスによると、両首脳は北朝鮮は非核化の確約に従い迅速な行動を取る責任があるとの認識で一致。中国とロシアに北朝鮮制裁を履行し続けるよう求める方針を確認した。

 ▼物品貿易協定 略称はTAG(Trade Agreement on goods)。複数国の間でモノの輸出入にかかる関税の引き下げや撤廃について定める協定。農産品や工業用品など幅広い貿易品目が交渉対象になる。
 日本政府は、関税だけでなく、投資やサービスの自由化にも範囲が及ぶ自由貿易協定(FTA)とは別の協定だとの立場だ。安倍晋三首相はトランプ米大統領との会談後の記者会見で「TAG交渉はこれまで日本が結んできた包括的なFTAとは全く異なる」と説明した。
 共同声明では、交渉のメドがたった後、投資などの分野についても2国間交渉を始めるとしている。日米でTAGを交渉する場合、米国は議会承認が必要となる。

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