2019年3月26日(火)

スズキ・日産、検査不正のドミノ 疲弊する製造現場

2018/9/26 21:27
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自動車大手の不正発覚が続いている。日産自動車で2017年9月、資格のない担当者による検査が発覚して以降、各社の調査のたびに不正が明らかになっている。世界で生産拡大の戦略を掲げる中、海外工場と国内工場のコスト競争が激化。国内の生産現場の疲弊が重なり、不正となって噴出している。

スズキが26日、排ガスや燃費の測定データ改ざんがあったと発表したきっかけは、日産などの完成検査で問題があり、国土交通省が各社に調査を求めたことにある。トヨタ自動車ホンダ、ダイハツ工業を除く各社で問題が発覚している。

日産も同日、完成検査に必要な試験の未実施などの問題があったと報告した。山内康裕チーフ・コンペティティブ・オフィサーは会見で、コスト管理と品質保証の「優先順位が正しく判断されていなかった」と語った。

日産は経営危機に陥った1999年以降、国内でリストラを断行すると同時に、新興国で工場設立を加速させた。スズキも2017年にインドで工場を稼働するなど、各社は成長投資を海外市場に振り向けた。

日産が調査を依頼した西村あさひ法律事務所の報告書は、排ガス測定値の改ざんが2000年代以降に「常態化した」と指摘する。

国内工場が厳しいコスト競争にさらされた結果が、不正につながった。日産は、国内工場の設備の老朽化が問題を引き起こした要因の一つだった。SUBARU(スバル)も検査設備に十分投資していなかったことが明らかになっている。

日産は国内外の工場で生産効率を競わせ、優秀な工場に人気車の生産を割り振っている。海外工場との生産コストの差を埋めようとして適切な人員配置ができず、不正を招いた可能性がある。

日産は同日、再発防止に向けて追加の対策を発表。検査担当者の増員や新たな測定装置などを導入する。今後6年間で約1800億円の投資に及ぶ。今年度、約670人を工場の検査関係で採用する計画も表明した。

最新鋭工場が新興国で新設されるなか、高コストの国内工場が競争力を保つのは難しい。相次ぐ不正で傷ついた「モノづくり力」をどのように回復するか。日本車メーカーの大きな課題になる。

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