2018年12月11日(火)

御嶽山、山頂登山が解禁 観光復興へ確かな一歩

北関東・信越
2018/9/27 6:30
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長野、岐阜両県にまたがる御嶽山で26日、山頂に向かう長野県木曽町の登山道の立ち入り規制が解除された。2014年に起きた噴火災害の遺族や、一般の登山客らでロープウエー乗り場は早朝から混雑した。低迷する木曽の観光復興に向けた一歩だが、活火山の脅威から登山客を守る安全対策の徹底も課題になる。

「御岳ロープウェイ」の乗り場は早朝から行列ができた(長野県木曽町)

「御岳ロープウェイ」の乗り場は早朝から行列ができた(長野県木曽町)

26日は登山道まで運ぶ「御岳ロープウェイ」が始発時間を1時間繰り上げて午前7時30分から運行。慰霊の花束を持った遺族や山頂部に建立した慰霊碑などの関係者に加え、規制解除を知った一般登山客も多数訪れた。

埼玉県から訪れた2人組の男性登山客は「26日から登れると聞いて来た。噴火前から御嶽山に登ってみたかった」と話し、登山道に向かった。26日朝は天候に恵まれ、山麓から御嶽山が一望できる時間帯もあった。8合目は紅葉が見ごろを迎えており、今週末は多くの登山客が訪れそうだ。

木曽地域の観光客数は御嶽山の噴火災害の影響を受けて低迷傾向が続いている。長野県が8月に発表した調査によると、木曽地域全体の延べ観光客数は17年が218万人で前年比微減となった。290万人だった噴火前の13年に比べると25%減っている。

登山道の立ち入り規制解除された御嶽山は霧が晴れて一望できる時間帯も

登山道の立ち入り規制解除された御嶽山は霧が晴れて一望できる時間帯も

御嶽山登山道の立ち入り規制の解除はまだ一部にとどまる。今シーズンは山頂部へ立ち入りできるのも10月8日までだ。短い期間だが、観光業界にとっては復興に向けた大きな一歩となる。一方で4年前の死者を出した噴火災害を目の当たりにしているだけに安全面への配慮も課題になる。

ロープウエーやスキー場を経営する地元のアスモグループ(木曽町)の今孝志社長は「あの日を忘れてはいけない」と述べ、従業員を集めて緊急時の予行演習を行う。

同時に「サービス業なので暗い顔をするわけにはいかないが、被災者の無念さ、つらさを思うと笑顔を出しにくい。接客でバランスをどう保っていくかが課題になる」と話す。

山頂部には緊急時に避難するシェルターが3基設置されたほか、パトロール隊の配置も強化された。山荘は衝撃に強い繊維で覆った施設に改修さるなど安全対策が目に見る形で強化された。一方でアルプスまで眺望できる景観や高山植物、紅葉を楽しめる自然に恵まれた環境はそのままで、観光資源は残された。

阿部守一・長野県知事が26日の記者会見で「観光振興の観点からは大きな前進だ。安全対策をしっかり講じながら観光PRをしていかなくてはならない」と述べたように、4年前の噴火災害を教訓に安全策を高めつつ、集客にも取り組むという難しい課題に迫られている。

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