2019年8月20日(火)

新潟三越、2020年に閉店へ 古町衰退が加速

2018/9/27 6:30
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三越伊勢丹ホールディングス(HD)は26日、新潟三越(新潟市)を2020年3月に閉店すると発表した。新潟では郊外の大型商業施設へ顧客が流出しているうえ、インターネット通販への対応が遅れ、消費者の百貨店離れが避けられないと判断した。同店のある繁華街、古町地区では大型商業施設の撤退が相次いでいる。同店の閉店により衰退が一層加速するのは避けられない。

2020年3月に閉店する新潟三越(26日、新潟市中央区)

2020年3月に閉店する新潟三越(26日、新潟市中央区)

「構造改革を進めたが、採算が合わなかった。非常に厳しい決断だった」。新潟三越を運営する新潟三越伊勢丹(同)の星野圭二郎社長は26日に新潟市内で開いた会見で閉店の理由をこう話した。

新潟三越は新潟駅から北西へ車で5分ほどの古町地区の中心部にあり、1936年に小林百貨店として開業した。地下2階、地上8階建てで、店舗面積は約2万平方メートル。ピーク時の97年3月期には250億円あった売上高は、18年3月期には129億円と半減した。

新潟県の人口減少による市場の縮小に加え、郊外の大型店舗に顧客が流出したことが響いた。星野社長は「古町地区で従来型の百貨店の業態で営業を続けるのは非常に難しい」と説明。通販サイトや衣料品専門店の台頭も経営を圧迫し、複数年にわたり最終赤字が続いたという。

業務改革の一環で店舗の経費削減に取り組んだ。その一つが90年代に廃止していた定休日の復活だ。17年5月から導入し、人件費や光熱費といった諸経費の削減につなげた。だが、衣料品や雑貨類の苦戦により売り上げは伸び悩んだ。赤字幅は縮小したが、黒字化には至らず撤退を決めた。

三越伊勢丹HDが所有する施設や敷地については閉店後に売却する方針。「経営資源を新潟伊勢丹や県内で新規出店をめざす小型店に集中させる」(星野社長)という。

三越が撤退すれば、古くから商業地として栄えた古町地区の活性化への悪影響は避けられない。10年には大和百貨店が閉店したほか、16年にも商業施設のラフォーレ原宿も撤退しており、衰退に歯止めがかからない。

篠田昭新潟市長は「社会環境が大きく変化しているほか、ネットが非常に好まれている」として、撤退に一定の理解を示した。一方で「覚悟していたことが起きた」と率直な感想を述べた。

花角英世知事は「古町の再活性化に向けた取り組みが本格化するなかでの撤退なので残念」と語った。「県としてどのような応援ができるか考えたい」として、地域活性化に向けて市と連携する姿勢を示した。

■地域貢献、違う形で模索

 記者会見した新潟三越伊勢丹の星野圭二郎社長との質疑応答は以下のとおり。

新潟市内で会見した星野圭二郎・新潟三越伊勢丹社長

新潟市内で会見した星野圭二郎・新潟三越伊勢丹社長

――4月に社長就任後、自分の代で閉店を決めたことへの思いは。

「4月からというより、以前から毎年、新潟三越も新潟伊勢丹もどうするか色々と検討をしてきた。前から手順を踏んできた結果として今があり、この半年で決めたということではない」

――古町地区についてどう考えていますか。

「古町は住んでも良いし、新潟の良さが分かる街づくりをすると素晴らしい街だと思う。ただ、中型、大型の百貨店の商業地としては残念ながら結果として厳しかった」

「地元への説明はこれからになる。我々は今後、古町の百貨店としてではないが、新潟というエリアでずっと商売をしたい。今と違う形でお客様、地域が喜べることを考えている。その辺を真摯に説明するしかない」

――百貨店の業態が難しいという認識は。

「今のままではだめだという認識はあった。世の中のライフスタイルとニーズが変わり、我々も変化をしないといけない。ただ、今の新潟三越では残念ながら変化に必要な投資に対するリターンをそこまで期待できない。伊勢丹も三越も変えないといけないが、2店に投資をして回収するのは成り立たない」

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