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カープ3連覇 グッズ販売でも圧勝
優勝記念Tシャツ発売

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2018/9/27 6:00
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広島東洋カープが26日、セ・リーグ3連覇を達成した。広島の街は27年ぶりの地元優勝、2009年開場以来、初の本拠地マツダスタジアムでの胴上げで歓喜の渦ができた。監督や選手、スタッフなど約100人がビールを掛け合い喜びを爆発させた。球団は早速、優勝記念のTシャツを公式ホームページで発売。電光石火で攻める商品戦略で経営を強くしている。

カープ優勝が決まった直後、マツダスタジアムでは歓喜の赤いバルーンが一斉に舞った

カープ優勝が決まった直後、マツダスタジアムでは歓喜の赤いバルーンが一斉に舞った

スタジアム熱狂

広島市中心街のアーケードでは、優勝を喜び合うファンのハイタッチの列が続いた

広島市中心街のアーケードでは、優勝を喜び合うファンのハイタッチの列が続いた

クローザーの中崎翔太投手が空振り三振で試合を締めくくると、観衆が一斉に赤い風船を飛ばし、ガッツポーズをして雄たけび。緒方孝市監督が9度、引退を表明した新井貴浩選手が6度胴上げで宙を舞うと、ファンは万歳を繰り返して喜びを分かち合った。「この瞬間に立ち会えたことが幸せ。ありがとうカープ」。広島市の男性会社員は興奮冷めやらぬ表情で語った。

グッズ販売堅調

12球団でトップクラスのグッズ販売は17年に54億円に達した。今季も堅調だ。最も売れているのはスタジアムを真っ赤に染めるビジター用のレプリカユニホーム。年間15万枚売れるユニホームのうちビジター用が8割を占める。菊池涼介、丸佳浩、鈴木誠也など主力選手の人気が高い。

試合の開催日にはスタジアム内のグッズショップには多くのファンが訪れグッズを買い求める

試合の開催日にはスタジアム内のグッズショップには多くのファンが訪れグッズを買い求める

グッズの販売戦略を担うのは商品販売部だ。20人弱の職員のうち、アイデアやデザインを考えるのは一握り。「あったら面白いが発想の原点」。松田一宏オーナー代行は鳴かず飛ばずだった過去の経験を生かしながら今があると話す。今季から始めた、背番号60番の赤いユニホームに名前を入れることができる「還暦ユニホーム」は親への誕生日プレゼントなどとして売れている。

松田氏が「ファンとの共感を共有するツール」という枚数限定Tシャツは、今季は18種類を製作した。「初勝利」や「サヨナラ勝ち」、鈴木選手が四球を選んだにもかかわらず打席に立ち続けて凡打した「幻の四球」など話題を呼んだ。熱気のさめないうちに商品が届くよう、広島市内に直営のTシャツ製作工場があり、最短で1週間以内に届く仕組みを整えている。

優勝Tシャツ20万枚

マツダスタジアム近くのラーメン店では、1杯10円セールをスタート。店の前には長蛇の列ができた

マツダスタジアム近くのラーメン店では、1杯10円セールをスタート。店の前には長蛇の列ができた

ビールかけで監督やコーチ、選手らが着用したTシャツはレプリカが17年に27万枚売れた。今季は20万枚を用意した。優勝直後からカープの公式ホームページの通信販売を始めた。Tシャツを含めて優勝関連の商品が27日から地元百貨店やスーパーなどカープグッズの販売店に並ぶ。

カープグッズ幅広く

メーカーや小売業が持ち込むライセンス商品は約500社、2千点にも及び、提案がひっきりなしに来る。提案は食品や衣料品、家具、衣料品、雑貨、化粧品など幅広く、車や家電など修理が必要なもの以外は基本的には認めている。シャープの広島事業所(広島県東広島市)が新規事業としてプロ野球ファンのために開発した、試合の速報やチームの最新情報が流れるウエアラブル端末「ファンバンド」はカープバージョンを皮切りに、他の10球団にも広がった。

スタジアム名物「カープうどん」1日4千杯

セ・リーグ3連覇の勢いは主催試合の観客動員数の伸びにもつながっている。25日に4年連続で200万人を突破した。球団記録の17年の217万人も更新は濃厚だ。

県内からの広域集客も目立つ。JR西日本がマツダスタジアムでの観戦客限定で岡山駅から博多駅までの各駅発着で発売する「赤ヘルきっぷ」は年間10万人以上が利用する。福山や尾道など広島県内の各都市からの利用が多く発売当初から約4倍に増えた。

マツダスタジアムの1番人気フードはカープうどん(「全部のせ」は1杯700円)

マツダスタジアムの1番人気フードはカープうどん(「全部のせ」は1杯700円)

スタジアム内の飲食店では名物「カープうどん」(全部のせ1杯700円)が人気だ。1試合で4千杯で売り切れる。近年は女性ファンが増えて、選手とコラボレーションしたノンアルコール飲料など「商品のアイテム数が増えた」(スタジアムの飲食運営を担う三井物産系の配食会社、エームサービスの担当者)

ファン全国に広がる

カープ消費は県外でも伸びている。東京・銀座で広島県産品を売る「ひろしまブランドショップTAU」では店舗全体の売上高が17年度に約9億7千万円と過去最高を記録。そのうちカープグッズが11%を占めた。関東での試合日前後には1枚8千円と高めのユニホームが売れる。学生や会社員には3色ボールペンの中身が全て赤色で太さが違うだけ、というクスッとした笑いを誘う商品が売れ筋だという。

 祝勝会でビールをかけられる広島・新井=マツダ

祝勝会でビールをかけられる広島・新井=マツダ

総務省の社会生活基本調査(2016年)で1年間に生でスポーツ観覧したことがある人(10歳以上)の割合をみると、最も高かったのは広島県の32.9%。特に都市部では男性の40.8%に加えて、女性も33.6%と突出して高く、「カープ女子」の増加ぶりを表している。

中国電力は17年にカープがセ・リーグで2連覇した広島県内の経済効果は350億円だったと試算。過去最高だった16年の353億円に迫る高水準を記録した。中国電力とは試算方法は異なるが、関西大学の宮本勝浩名誉教授は、今回、カープがセ・リーグで3連覇した場合の経済効果は、広島県内で約459億円にのぼると試算する。

    

◇     

今年は4月にカープOBの鉄人、衣笠祥雄氏が死去し、7月の西日本豪雨で広島県内での死者が100人を超す悲しみを経験した。全面復旧・復興までの道のりは長いが、粘り強く戦い抜くカープの姿に広島県民が勇気づけられている。

原爆の焼け野原から復活した希望の象徴でもあり、「たる募金」などで何度も球団の危機を乗り越えてきた。喜びも悲しみもカープとともに――。1984年以来の日本一に向けて突き進む。(広島支局 後藤健)

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