競馬実況アナ日記

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競馬ファンを育むためにできること

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2018/9/29 6:30
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みなさんはサインをもらったことがありますか。"signature"ではなくて"autograph"。つまりは有名人からもらう方です。私はかつてひいきのプロ野球やサッカーの選手のサインを、観戦時に着るレプリカのユニホームに書いてもらうのが好きでした。それを着て観戦すると、何だか一体感が増したような気がしました。野球なら2軍戦の試合後、サッカーなら公開されている練習の終わり。結構、選手のみなさんはサインしてくれるので、うれしいものでした。最近は球場の形態の変化や諸般の事情から、選手との距離が広がっているようで少し残念ですが、サイン入りのレプリカのユニホームを見ると、サインをもらったときの情景を思い出します。今から思えば、サインの価値よりも目の前でサインをしてもらったその時間が、自分にとっての宝物になっている気がします。

忙しいレースの合間に騎手はサインをしている

忙しいレースの合間に騎手はサインをしている

騎手の気持ちを裏切らないで

最近は中央競馬でも、レースで勝った騎手が時間の許す限りウイナーズサークルでファンにサインをする光景がすっかり見慣れたものになってきました。誰が勝つかわからないのにもかかわらず、その騎手の写真を持ってサインを求めている姿を見ると、時に感心さえします。この人たちにとっても、サインをもらう時間が宝物となることを祈ってやみません。サインをしてくれた騎手は、ファンにとって特別な存在になるのではないでしょうか。同じ騎手が騎乗する際には、また競馬場に足を運ぶ一つのきっかけになるかもしれません。

ですが、なかにはもらったサインをネットで転売する不届き者も、わずかながら存在するようです。騎手からすれば不快でしょう。わずかな不届き者のために、健全なファンの楽しみがなくなってしまうことはあまりにも悲しすぎるので、何とか続けてほしいと思います。騎手は忙しいレースの合間にサインをしてくれているわけですから、ファンもその気持ちを裏切ることのないよう心がけてほしいものです。

騎手もサインをする時間がない場合もあります。そんなとき、ウイナーズサークルから離れる前にファンに向かって手を振ったり、ひと声かけてくれたりするとうれしいですね。これも素晴らしいファンサービスですから。たまにレースの後、仕事とはわかっているとはいえ、調教師やオーナーと話し込んで、ファンに対し全く目を向けることなく検量室に入っていく騎手を見ると、少し残念な気分になります。

あるベテラン騎手がウイナーズサークルでサインを求められたとき、「ごめん、次の準備があるんだ」と言って、ファンに手を合わせて走り去っていたことがあります。これはこれで素晴らしい気持ちの伝え方です。過剰なサービスは不要で、当たり前の態度こそ、今そこにいる競馬ファンをよりコアなファンにしてくれると私は思っています。

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