2019年6月19日(水)

WTO改革を共同提案へ 日米欧が閣僚会合で合意

2018/9/26 2:24
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【ニューヨーク=辻隆史】日米欧の通商閣僚会合が25日午後(日本時間26日未明)にニューヨークで開かれ、11月に世界貿易機関(WTO)改革の共同提案を行うことで合意した。中国を念頭に、自国の特定産業を優遇する制度を導入した国への罰則などを盛り込む見通し。米国はWTOを「機能不全」と批判しており、日欧は共同で改革案をまとめることで、米国を多国間の枠組みにつなぎ留めたい考えだ。

改革を迫られるWTOの本部(スイス・ジュネーブ)=ロイター

日米欧がWTO改革で共同提案するのは初めて。他の加盟国にも連携を呼びかけ、早期の実現をめざす。

25日の会合に日本は世耕弘成経済産業相、米国はライトハイザー米通商代表部(USTR)代表、欧州連合(EU)は通商担当のマルムストローム欧州委員が参加した。

WTO協定は、貿易に影響を与えそうな補助金や規制を導入する際には、自らWTOに報告する義務を加盟国に課している。だが、自国の鉄鋼産業への不当な補助制度があると国際社会から批判を浴びる中国は、2006年から補助金に関する報告をしていない。WTOに未報告でも現在は罰則がない。

日米欧は11月のWTOの理事会で、本来すべき報告を怠った国に対する罰則の導入を提案する。WTOで議長ポストに就けなくしたり、分担金を増やしたりする罰則を検討する。WTOで訴訟になった際、通常より重い責任を負わせることなども視野に入れる。

不正な「補助制度」の定義もより明確化する。政府による補助金だけでなく、政府系金融機関による融資など幅広い対象を確実に問題にできるようルールを改める。不透明な出資や極端な低利融資に対しては、公正な貿易をゆがめる「著しい害」があるとみなし、厳しい説明責任を課す。

WTO機能の活性化も提案する。知的財産や紛争解決など各課題を討議する委員会の開催頻度を増やし、加盟国が不満を持つ問題に積極的に取り組めるようにする。一部の委員会には年に数回程度しか開かれないものもあり、WTOの機能不全が指摘される一因になっていた。

米国は01年に中国がWTOに加盟した後も、補助金のように不公正な貿易慣行を改めていないと強く批判。WTOからの脱退も辞さない姿勢を見せている。米中間などで貿易戦争が激化するなか、日欧は米国、中国が多国間の枠組みで問題を解決できるようにWTO改革を進め、自由貿易体制の維持をめざす。

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