2019年5月22日(水)

産油国 増産協議は難航 イランは反発、原油高も

2018/9/23 19:00
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【カイロ=飛田雅則】主要産油国は23日、北アフリカのアルジェリアで原油の増産を巡り協議した。米国が復活させる制裁でイラン産の輸出が減るため、他の産油国が増産で穴埋めして供給不安を払拭できるかが焦点だ。米国は原油高を避けるためサウジアラビアなどに増産を求めるが、イランのザンギャネ石油相は反発して会合を欠席した。増産合意が見送られれば原油価格の上昇を招く恐れがある。

石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国は23日、首都アルジェで協議した。ロイター通信によると、イラン産原油の供給が減る分をカバーするため、日量50万バレルほど増産することが議題。6月末に日量100万バレルほど増やすことで合意したが、技術上の問題でOPECの8月の産油量は日量3256万バレルで5月に比べ40万バレルほどしか増産できず、供給懸念が広がっていた。

トランプ米大統領は20日「われわれは中東を守っている。しかし、彼らは原油価格を押し上げ続けている」として「独占組織のOPECはいますぐに価格を下げろ」とツイッターで批判した。

11月に米議会中間選挙を控え、有権者に不人気なガソリン高を避けるため、トランプ氏は原油価格上昇を警戒する。ロンドン市場の北海ブレント原油先物は、12日に約3カ月半ぶりに一時1バレル80ドルを突破。足元でも80ドル近辺の値動きを続ける。

イランのザンギャネ石油相は20日、米メディアで「我が国の利益に脅威となるいかなる提案についても、断固として拒否権を行使する」と増産に反対。今回の会合を欠席した。OPECの正式な決定は全加盟国の参加が必要なため「(決定は)無効だ」と強調した。

米国は各国にイラン産原油の輸入停止を求めており、韓国は輸入を停止。日本の石油元売り大手も輸入の一時停止を正式に決めた。報道では8月前半のイランの輸出量は日量168万バレルと、前月に比べ60万バレルほど減少した。主要輸出先のインドが大幅に減らしたためで、行き場を失ったイラン産原油を載せた多くのタンカーが、ホルムズ海峡にとどまっているとの情報もある。

原油の販売収入が歳入の半分以上を占めるイランにとっては打撃だ。敵対するサウジが米国の意向に沿って増産する構図に不満を募らせる。8月のサウジの産油量は日量1040万バレルで、5月より40万バレル近く増やした。

米国と協力関係にあるサウジと、イランとの対立は収まりそうもない。ロイター通信は産油国関係者の話として「23日の会合で増産で合意できる見込みは小さい」と報じた。12月のOPEC総会まで増産合意が先送りされれば、供給不安が意識され、原油価格を押し上げかねない。トランプ氏も産油国への批判を強める可能性がある。

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