豊洲市場開場まで20日弱 築地ブランドの継承課題

2018/9/23 0:00
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10月11日の豊洲市場(東京・江東)開場まで20日足らず。運営する東京都や水産・青果事業者は移転準備作業を加速している。東京の台所の役割を担ってきた築地市場(同・中央)は約80年の歴史を終えるが、同市場が築いた「築地ブランド」を豊洲が引き継げるかが課題となる。

10月11日に開場する豊洲市場(東京・江東)=共同

10月11日に開場する豊洲市場(東京・江東)=共同

豊洲市場は築地市場の南東2.3キロメートルに位置する。手狭な築地に対し、豊洲は敷地面積が約40ヘクタールと1.7倍に広くなる。

基本的に屋根で覆っただけの開放的な築地とは違い、「閉鎖型」と呼ばれる建物の中にセリ場や仲卸などが入る構造だ。内部は温度管理されており、低温状態などで産地から食品を流通させる「コールドチェーン」が可能になる。ある水産仲卸は「今夏の猛暑で保冷用の氷がみる間に解けていった。新市場は魚にはよい環境だ」と評価する。

一方、開場と同時に開設予定だった集客施設は都と事業者の対立で、着工が2020年の東京五輪・パラリンピック後にずれ込んだ。同施設には商業施設や宿泊施設などが入居。外国人を含め多くの観光客を呼び込み、ブランド力押し上げの役割も期待されていた。小池百合子都知事は13日の記念式典で「豊洲市場は世界に誇る『築地ブランド』を引き継ぐ」と強調したが、当初計画とは異なるスタートになる。

汚染対策で地下水の水位の管理が開場後も必要になる。建物などのひび割れも見つかった。設計時点から想定していたとして都は安全性に影響はないとするが、継続的な対応が不可欠になる。

外国人らに人気だった築地市場のマグロのセリの見学は15日で終了した(東京・中央)

外国人らに人気だった築地市場のマグロのセリの見学は15日で終了した(東京・中央)

10日に豊洲市場の設置を認可した農林水産省は、中央卸売市場の整備計画から築地を削除した。1935年に開場した築地は、10月6日でその歴史に幕を下ろす。閉場準備は既に進んでおり、外国人を中心に人気が高かったマグロのセリの見学は9月15日に終えた。

跡地は五輪の車両基地としての利用は決まっている。だが、その先は明確になっていない。当初16年11月だった移転が2年遅れになり、跡地を通る幹線道路「環状2号」の全線開通は22年度にずれ込んだ。人口増が続く臨海部と都心を結ぶBRT(バス高速輸送システム)の本格運行も22年度と2年遅れになる。

卸売市場を通さず、産地と小売業者らが直接取引する「市場外取引」が増え、水産や青果の市場経由率は5割台だ。築地は取り扱い量と、魚であれば年間300種以上集まる多様さで、世界有数の市場に育った。豊洲がその後を継げるか、都や事業者の今後の取り組みにかかっている。

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