ベトナム国家主席が死去、序列2位 後任にフエ副首相が有力

2018/9/21 18:04
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【ハノイ=富山篤】ベトナムの政府内序列2位のチャン・ダイ・クアン国家主席が21日死去した。国営ベトナム通信社が報じた。61歳だった。昨年夏ごろから急速に痩せるなど健康不安説が流れていた。2016年の就任当初は最高指導者グエン・フー・チョン共産党書記長の後継者とみられていたが、関係は悪化していた。権力闘争に巻き込まれたとの見方も出ている。

訪日を前に会見するチャン・ダイ・クアン国家主席(ハノイ)

クアン国家主席はエリートコースの公安省出身で、16年の共産党大会で国家主席に内定した。ベトナムの政権幹部の任期は5年間だが、チョン書記長は70歳代半ばと高齢なため、任期途中でクアン国家主席にバトンタッチすると噂されていた。

チョン書記長は17年ごろから汚職撲滅運動を積極化した。クアン氏が閣僚を務めていた期間の公安省の汚職も多数露見し、責任を問う声が出ていた。昨年夏には失脚説が流れたものの、ベトナム中部ダナンで開いた同年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)ではホストを務めて復活をアピールしていた。

後任の国家主席としてはブオン・ディン・フエ副首相、ベトナム共産党の要職である書記局常務を務めるチャン・クオック・ブオン氏が有力視されている。両氏ともチョン書記長に近い。10月下旬の国会で決まるとみられる。

ベトナムでは共産党書記長と国家主席を中国のように兼務させるべきだとする意見が根強くある。英語では「プレジデント(大統領)」にあたる国家主席が序列2位では外交上の不都合が想定されるからだ。チョン書記長が国家主席を兼務するという可能性もゼロではない。

クアン氏の死去によって、チョン書記長への権力集中がさらに加速する。親中派と称されることもある同氏が中国との関係をどう再構築するか、今後のカギとなりそうだ。ベトナムにとって中国は最大の輸入相手国であり、同じ共産党支配で政治的、歴史的にもつながりが深い。一方で両国が争う南シナ海の領有権問題は解決の糸口が見えない。

ベトナムへの政府開発援助(ODA)、直接投資額が最大の日本の外交も難しさを増す。カンボジア、ラオスなど中国に傾斜する国が増えるなか、ベトナムとは強固な関係を維持しておきたいところだが、パイプは細くなりつつある。16年に失脚したグエン・タン・ズン前首相の側近で、親日派の代表格だったディン・ラ・タン元交通運輸相は3月、国営企業時代に不正な経営をしたとして、約30年の禁錮刑を受けた。

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