2019年6月24日(月)

iPS血小板の再生医療、厚労省部会が了承

2018/9/21 15:26
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厚生労働省の専門部会は21日、iPS細胞を用いて血小板が減る難病を治療する京都大学の臨床研究計画を了承した。他人の血小板を輸血できない特殊なタイプの患者が対象で、1年以内の実施を目指す。目や心臓、脳の神経に続き、実際に患者に移植する再生医療の研究が広がってきた。

臨床研究は、血液の成分が減る「再生不良性貧血」のうち血小板が減る「血小板減少症」の患者1人が対象。他人の血小板を輸血しても拒絶反応で消えてしまうため、血小板製剤を使えない。

患者は既に決まっており、募集はしない。患者自身のiPS細胞を作り、血小板に育てて3回に分けて輸血する。1~2年かけて安全性や有効性を確認する。

京大の技術を実用化する動きも進む。バイオベンチャー、メガカリオン(京都市)は、健康な人のiPS細胞からあらかじめ血小板のもとの細胞を作って蓄えておき、血小板製剤にして血小板減少症などの患者に輸血する臨床試験の米国での実施を目指している。2018年中に米食品医薬品局(FDA)に計画を提出する目標だ。

今回の臨床研究で安全性や効果を確認できれば、iPS細胞から血小板製剤を作る製造法をおおよそ確認できたことになる。量産や保管の安全性などを確認できれば、実用化に道が開ける。

血小板は白血病の一種やウイルス感染などでも減る。その治療で使う輸血は献血に頼っているのが現状だ。血小板は長期保存ができない。今後は高齢化で献血が減るという予想もあり、iPS細胞をもとにした再生医療が役立つ可能性があるという。ただ、症状を緩和する対症療法にとどまり、根治にはつながらない。

iPS細胞は遺伝子の変化によるがん化リスクが指摘されるが、患者に投与する血小板には遺伝子がないため、がん化リスクは少ない。研究チームは念のため、輸血前に放射線を照射し、がんのもとになる危険な細胞を取り除く計画だ。

iPS再生医療は先行する目の網膜のほか、心臓、脳、脊髄などの計画が続く。患者自身のiPS細胞を用いる臨床応用は2014年に始まった目の網膜の移植以来、今回が2例目となる。

海外では、iPS細胞と同じ万能細胞の胚性幹細胞(ES細胞)を使う再生医療の応用や計画も進む。今回の患者は他人の細胞では治療できないため、ES細胞では代替できない。

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