2018年12月14日(金)

フラダンスに著作権あり ハワイの指導者勝訴、大阪

2018/9/21 10:42
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ハワイに住むフラダンスの指導者が自ら創作した振り付けを許可なく使われ著作権を侵害されているとして、フラダンス教室の運営団体に講師や会員による上演差し止めなどを求めた訴訟の判決が21日までに大阪地裁であった。高松宏之裁判長は著作権侵害を認め、会員への指導や国内施設での上演禁止と、約43万円の支払いを命じた。

判決を前に、フラダンスを実演する原告のカプ・キニマカ・アルクイーザさん(20日、大阪市の司法記者クラブ)=共同

判決を前に、フラダンスを実演する原告のカプ・キニマカ・アルクイーザさん(20日、大阪市の司法記者クラブ)=共同

原告側弁護士によると、フラダンスの著作権を認めた判決は海外でも例がなく珍しいという。原告側は約650万円の損害賠償も求めていた。

原告はフラダンス伝承者として認められた指導者を意味する「クムフラ」の一人で米国人女性、カプ・キニマカ・アルクイーザさん(64)。手の動きやステップは家族や恋人らへの愛情を表し、先代から受け継がれたものも含まれ「個性が表現されている」と主張していた。

訴えられたのは中国、九州地方で教室を開いている「九州ハワイアン協会」(熊本市)。訴訟で協会側は「フラダンスは基本動作の組み合わせにすぎず、著作権はない」と反論したが、高松裁判長は「楽曲の振り付けで部分的に作者の個性が表れていれば、その一連の流れ全体の著作物性が認められる」と判断した。

判決によると、カプさんは1980年代から協会の依頼を受け、日本で指導を開始。2014年に契約が解除された際、指導した振り付けを使わないよう伝えたが、協会は上演を続けていた。

訴訟でカプさん側は創作性を証明するため、ハワイから呼んだ教え子に法廷でフラダンスを実演させ、振り付けの説明もした。

20日の判決後に大阪市内であった記者会見でカプさんは「フラダンスを教える側にとって、とても意味のある判決。ハワイの文化としてフラを大切にしてほしい」と話した。

協会側は「担当者が不在なので対応できない」とした。

■社交ダンス、日本舞踊も法廷闘争に
 踊りの振り付けに著作権が認められるかどうかは、これまでも日本舞踊や社交ダンスで訴訟が起こされ、司法の場で争いとなってきた。
 著作権法は「思想、感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術、音楽の範囲に属するもの」を著作物と規定。舞踊のほか小説や音楽などが対象となり、上映する権利も含まれる。
 1996年に公開された映画「Shall we ダンス?」を巡っては、振付師が無断でテレビ放映されたとして映画製作会社などに損害賠償を求め提訴。東京地裁は2012年、社交ダンスは既存のステップの組み合わせで「独創性を認めるほど顕著な特徴はない」と著作権を否定した。
 一方、日本舞踊の創始者が2代目家元を訴えた訴訟では、福岡地裁小倉支部が1999年、著作権を認め、上演禁止と慰謝料50万円の支払いを命令。控訴審で福岡高裁も「各舞踊は振付者の思想、感情を創作的に表現したもので、著作権を有する」と一審を支持した。

〔共同〕

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