引き継ぎ怠り支援できず おり監禁、障害者視点欠如

社会
2018/9/21 9:36
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兵庫県三田市の自宅で父親(73)が20年以上にわたって知的障害のある長男(42)をおりに閉じ込めていた事件で、市の対応を検証した第三者委員会が20日、報告書を公表した。内部での引き継ぎを怠り、長男側の視点に立った支援ができなかったことが保護や通報が遅れた原因だと指摘した。

報告書によると、長男は1993年まで市の福祉サービスを受けていた。18歳になって担当者が交代した後、記録を残していなかったことから引き継がれずに放置された。第三者委は「市の管理体制に問題がある」と述べた。

今年1月16日、父親から「座敷牢(ろう)に入れている」と聞いた福祉施設職員が市側に連絡。末期がんだった母親の対応に家族が追われていたことなどの事情を考慮したため、市職員が自宅でおりを確認したのは2日後の同18日午後、長男が保護されたのは同22日だった。

この間やりとりしてきた父親を県警に通報するのに心理的抵抗があった職員がいたことなどから、通報は約1カ月後の2月21日にずれ込んだ。

第三者委委員長の谷口泰司関西福祉大教授は「虐待に関しては(長男)本人の視点に立った支援をすべきだった。座敷牢という言葉を聞いたならば、その日のうちに訪問する必要があった」と述べた。

県警は4月に父親を監禁容疑で逮捕。神戸地裁は6月、懲役1年6月、執行猶予3年の判決を言い渡し、確定した。〔共同〕

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