2018年12月10日(月)

関空ターミナル21日全面再開 貨物復旧なお時間

台風21号
サービス・食品
関西
2018/9/20 18:45
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関西エアポートは21日、台風被害が大きかった関西国際空港のターミナルビルを全面再開する。21日に運航する旅客便数は台風前と比べて99%まで回復する。訪日外国人の減少が懸念されたが、旅客便がほぼ通常に戻ったことで復旧作業は一段落することになる。一方、貨物便の再開は道半ばで、電子部品の輸出など企業の物流への影響はしばらく続きそうだ。

14日の運用再開後、利用客でにぎわう関西空港第1ターミナル南側の国際線出発エリア(20日午後)=共同

全日本空輸は関空発着便を20日から国内線、21日から国際線を全面再開する。日本航空も21日から全便再開する。関西エアポートの西尾裕専務執行役員は「再開後の旅客便の搭乗率は台風前の80%を下回っている」と話すが、今後乗客は徐々に戻っていくと見られる。

関西を訪れる外国人観光客も回復しつつある。フグ料理店「玄品ふぐ」を展開する関門海は訪日客が多い黒門市場の店舗で5割まで減った来店客が8割まで回復した。「団体客のキャンセルが少なくなった。全面再開が(中国の大型連休の)国慶節に間に合ってよかった」と話す。近鉄百貨店のあべのハルカス近鉄本店(大阪市)は20日、午前10時の開店前に化粧品を買いに長蛇の列ができた。3割に落ち込んでいた外国人客が台風前の水準に戻った。

復旧が予想以上に早く進んだため、一時浮上した関空の国際線を臨時的措置として大阪国際(伊丹)空港と神戸空港へ就航させる計画は避けられる見通しだ。

関空は関西唯一の国際空港であり、台風被害による閉鎖は訪日客や貿易への影響が大きかった。日本総合研究所の石川智久関西経済研究センター長は「関空閉鎖は1日30億円の経済損失を与える」と試算。2020年の東京五輪や国際博覧会(万博)の誘致活動への影響を抑えるため、旅客便の復旧を先行させた。

ただ旅客便がほぼ全面再開したのに対し、貨物便は復旧に時間がかかっている。21日にシルクウェイ・ウエスト航空が運航を再開、運航便数ベースでは36便と台風前の86%に戻る。ただ米フェデックスによる書類など小口の荷物がほとんどで、電子部品や医薬品の輸出入といった企業のサプライチェーン機能は戻っていない。21日に航空貨物便を運航する会社は7社(41%)にとどまっている。

関空の貨物エリアは浸水による被害が大きかった。現在は被災した倉庫や通関施設は修復が進み、貨物の受け入れ能力は台風前の5~6割まで戻った。ただ倉庫内に水につかった荷物の多くが残ったままだ。これまで連絡橋でトラックの走行時間帯の制限があったため、荷物の輸送が進まなかった。

貨物保険の調査を受けるために倉庫から荷物を動かせない事情もある。荷主への引き渡し作業などが必要であり、物流機能の回復にはまだ時間がかかる見通しだ。

シャープは亀山工場(三重県亀山市)で生産したスマートフォン(スマホ)用の液晶パネルの一部が関空内で滞り、輸出できない状況だった。現在は他空港に振り替えて輸出する対応で供給面への影響を抑えている。

空港アクセスは大幅に改善が進んでいる。関空と対岸を結ぶ連絡橋はタンカーの衝突で一時通行不能だったが、JR西日本南海電気鉄道が18日に鉄道を再開。関西空港駅の1日の乗降客数は6万人を超え、訪日客や通勤客の大量輸送が可能になった。

工事車両やシャトルバス限定だった道路部分も21日からタクシーやハイヤーを解禁し、トラックの走行時間帯の制限を無くす。今後は道路の混雑具合を見ながらマイカーやレンタカーの解禁を検討する。

損傷が大きい橋桁部分の復旧は来年のゴールデンウイーク前になる見通し。当面は連絡橋の一部で車線が少なくなるため、バスや貨物の輸送などに遅れが出る可能性がある。

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