2019年9月18日(水)

マツダの解は「机上」にあり、開発試作車4分の1に

2018/9/20 17:15
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マツダは20日、自動車開発にシミュレーションを駆使する「モデルベース開発(MBD)」の説明会を開いた。電動車の台頭でパワートレイン(駆動機構)が乱立し、各国の環境規制への対応などで開発は複雑化を極める。人見光夫常務執行役員・シニア技術開発フェローは「検証の範囲がこれまでの足し算からかけ算になっている」と述べ、さらに対象を拡大する方針を打ち出した。

モデルベース開発を説明するマツダの人見光夫常務執行役員・シニア技術開発フェロー(右)(20日、都内)

モデルベース開発を説明するマツダの人見光夫常務執行役員・シニア技術開発フェロー(右)(20日、都内)

マツダが取り組むシミュレーション技術は技術の構想段階から全体最適を検討し、コンピューター上で性能を検証する手法だ。マツダではMBD導入や設計手法の見直しによって、車両開発での試作車台数をMBDを使わない手法と比べて4分の1に減らせるようになった。

2011年に投入した新型エンジンなど環境技術群「スカイアクティブ」の開発で本格的にMBDを採用した。中核技術となるエンジンでは制御開発工程の約75%をコンピューター上で行い、残りを試作機で確認した。従来は約75%が試作機での確認だったため、開発期間や費用がかさんだ。18年度から投入する新商品群ではシミュレーションでの評価を約95%にまで引き上げているという。

「これまでの開発は足し算でよかった。シミュレーション技術を駆使して開発を効率化する」と人見氏。車両本体だけではなく、外部環境や人の構造などもシミュレーションに反映させられるかがカギを握る。

2011年に発表した環境技術群「スカイアクティブ」ではMBDを活用した

2011年に発表した環境技術群「スカイアクティブ」ではMBDを活用した

たとえば路面や走行風など車外環境が車両に与える影響を数値化したり、感覚や構造などが人間に与える影響もシミュレーションに取りこんだりできれば開発のスピードは上がり、開発車両の目標設定を明確にできるとみる。人見氏は「大学など研究機関とも連携しながら技術を高めていきたい」と話した。

自動車業界での開発テーマとしてあげられる「CASE(つながる車、自動運転、シェアリング、電動化)」に加え、主要国での様々な環境規制が自動車開発を複雑化させる変数となってきた。従来は独立していたそれぞれの部品やシステムが車内のネットワークでつながっていることも影響し、評価項目はふくれあがる一方だ。

マツダは今後、新型ガソリンエンジンやディーゼルエンジンのほか、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)を19年以降に順次投入する計画。人見氏は「MBDがあるから『これだけの開発はできない』と言わずに、やるんだという気になれる」と効果を強調していた。

(企業報道部 湯沢維久)

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