大王製紙のCB発行、北越紀州の賠償請求棄却

2018/9/20 14:40
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大王製紙が行った新株予約権付社債(転換社債=CB)の発行により株価が下がり、損害を受けたとして、筆頭株主の北越紀州製紙(現北越コーポレーション)が大王の佐光正義社長ら発行時の経営陣に約88億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、東京地裁であった。大竹昭彦裁判長は北越の請求を棄却した。

北越側は、CBの発行価格が株式の時価よりも大幅に低い「有利発行」にあたると主張。有利発行に必要な株主総会の特別決議を経ていない発行は違法で、北越の議決権比率を下げる目的で行われた不公正なものだと訴えていた。

大竹裁判長は判決理由で、CBの発行条件について「客観的資料に基づく、一応合理的な算定方法で決められた」と認定し、有利発行にはあたらないと判断。発行の目的については「設備投資などの資金需要があり、資金を調達する目的で行われたと推認するのが相当」とした。

「(大王の経営陣は)北越の持ち株比率を快く思っていないことが認められる」とする一方、今回のCB発行は他の方法と比べて議決権比率を下げる確実性が弱いなどと指摘。「議決権比率を下げ、経営支配権を巡る争いを有利にすることを主な目的として発行したとはいえない」と結論づけた。

CBは発行する企業の株式に転換できる権利が付いた社債。大王は紙おむつの生産設備増強などの資金調達のためとして、2015年9月に300億円分を発行した。北越は自社を含む大王の既存株主が損害を受けたとして、発行時の取締役13人を相手に同年12月に提訴した。

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