18年度の実質成長率は1.2%、19年度は0.9%成長 NEEDS予測
いったん減速も、企業部門主導の成長が継続

2018/9/20 11:58
保存
共有
印刷
その他

日本経済新聞社の総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、9月10日に内閣府が公表した2018年4~6月期の国内総生産(GDP)の2次速報値を織り込んだ予測によると、18年度の実質成長率は1.2%、19年度は0.9%の見通しになった。

4~6月期の実質GDPは前期比0.7%増(年率換算で3.0%増)と1次速報値から0.2ポイント(年率では1.1ポイント)上方修正された。設備投資が前期比3.1%増と速報段階から1.8ポイント高まったことが主因だ。

7~9月期以降の日本経済は、引き続き企業部門主導の緩やかな回復が続く見通しだ。ただ、7~9月期は前期の高い伸びの反動や西日本豪雨の影響もあり、実質成長率は前期比0.1%にとどまる見込み。

■輸出は底堅く推移

米国経済は好調が続いている。4~6月期の実質GDP(改定値)は前期比年率4.2%増だった。8月の米サプライマネジメント協会(ISM)の景況感指数は、製造業・非製造業とも前月から上昇した。雇用環境も良好で、7~9月期以降も米国経済は、潜在成長率を上回る前期比年率2%台の成長を維持すると見込む。中国も足元は安定成長が続いている。中国共産党は7月31日に開いた政治局会議で、対米貿易摩擦による悪影響に対し、積極的な財政政策で景気を下支えし、金融政策も緩和方向に修正する方針を決めた。

世界的に設備投資が活発で、日本の輸出の柱の一つである資本財への需要が引き続き見込まれる。GDPベースの実質輸出は、18年度は前年度比3.3%増、19年度は同2.9%増を見込む。

■設備投資意欲は引き続き高い

8月31日に経済産業省が公表した7月の鉱工業生産は、西日本豪雨の影響で、4~6月平均から1.4%低下した。もっとも、経産省が同時に公表した製造工業生産予測調査では、8月、9月ともに前月比上昇が見込まれている。9月に発生した台風21号や北海道地震の被害により下振れる公算は大きいが、影響が長引くことはないとみている。

企業の設備投資意欲は引き続き高い。9月12日に公表された7~9月期の法人企業景気予測調査では、18年度の設備投資計画(ソフトウエアを含む、土地を除く)は前年度比9.9%増だった。18年度のGDPベースの実質設備投資は前年度比4.9%増と、13年度以来の高い伸びとなる見込みだ。ただ、19年度は東京五輪関連投資が一服することや資本ストック循環からみて調整圧力が高まることなどから、同1.6%増と増加ペースは鈍化するとみている。

■消費も増加基調を維持

西日本豪雨の影響や前期の高い伸びの反動はあるものの、7~9月期の個人消費は前期比0.2%増とプラスの伸びを維持すると見込んでいる。その後も消費増税までは増加基調を維持する見通し。良好な雇用・所得情勢が引き続き消費の伸びを支える。

7月の有効求人倍率がおよそ44年ぶりの高水準になるなど、雇用環境は依然として明るい。所得も堅調に推移している。厚生労働省が9月7日公表した毎月勤労統計によれば、7月の現金給与総額賃金指数(調査産業計、5人以上、速報)は12カ月連続で前年同月比プラス、所定内給与も16カ月連続で前年同月を上回っている。個人消費は、18年度が前年度比0.9%増、19年度は同0.8%増となる見通し。

なお、今回のNEEDS予測は、日本経済研究センターが18年9月に公表した改訂短期予測をベースにしている。9月に生じた台風被害や北海道での震災については、対応が進行中であることから、本予測には織り込んでいない。

(日本経済研究センター 宮崎孝史、デジタル事業BtoBユニット 渡部肇)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]