米TPG、ミャンマーの通信塔分野に大型投資

2018/9/19 23:20
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【東京=グエン・ロビンスン】米投資ファンドのTPGはミャンマーの通信インフラ事業に巨額の投資を実施する。ミャンマーでは通信インフラ事業が急成長しており、今回の大胆な投資によって同業界で最大規模の企業統合が実現する。

TPGはミャンマー第2位の通信塔会社、アポロタワーズ・ミャンマーの過半数株主だが、新たにアポロタワーズのライバル、パンアジア・マジェスティック・イーグルを買収する。パンアジアはヤンゴンに登記され、外資が100%保有するミャンマー通信塔業界第3位の企業。TPGの今回の買収は8月にミャンマー政府の承認を得ている。

合意ではTPGは2段階で現金と株式の交換を実施することで、アポロとパンアジアの両社を傘下に収める持ち株会社を設立する。

アポロは現在、ミャンマーに約1800の塔を保有、パンアジアの1200と合わせると、持ち株会社の塔数は業界第1位のイラワジ・グリーン・タワーズを上回る。イラワジ社は中東資本の会社で約2500の塔を保有している。

今回の買収に詳しい情報筋によると、新しい持ち株会社の企業価値は、傘下に収める2社の債務を計算に入れて、10億ドル(約1120億円)を少し下回る。

TPGがミャンマーで企業の買収・売却を手がけるのは今回が3回目。同社は2017年後半にミャンマー・ディスティラリ・カンパニーの株式の50%をタイの酒類・飲料大手、タイ・ビバレッジに4億9400万ドルで売却している。これは投資ファンドによるミャンマーでの最大の株式売却。TPGは15年12月に1億5000万ドルでミャンマー・ディスティラリの株式を取得していた。

TPGはパンアジアの100%を現金で買収し、アポロの少数株主との株式交換を通じた再編を実施し、両社への間接所有に終止符を打つ。TPGは14年に約4000万ドルの初期投資でアポロタワーズをパートナー企業と共同設立した。TPGの新会社の保有率は最終的に80~85%となる。

TPGのアポロでの少数株主パートナーは2社ある。1社は共同設立企業である米国のティルマン・グローバル・ホールディングス。もう1社はロンドン証券取引所の新興企業向けAIM(エイム)市場に上場してミャンマーに最初に投資したミャンマー・インベストメンツだ。

両社はアポロでの持ち株を半分に減らし、新会社での持ち株比率は7%を少し下回ることになる。ミャンマー・インベストメンツは16年に2100万ドルでアポロ株式の13.5%を取得した。新会社の残りの株式は経営陣と2次投資家が保有する。

西側投資家はロヒンギャ難民危機に対する国際的な非難の高まりを受けてミャンマーへの投資を敬遠するのではないかとの懸念があるが、通信業界への投資意欲は根強い。少数民族でイスラム教徒のロヒンギャ族80万人以上が残忍な軍事作戦で隣のバングラデシュに追いやられている。

通信事業はミャンマーで確実な成長が見込める数少ない分野の1つ。18年半ばの時点で1万4500の塔が設置されているが、スマートフォン(スマホ)の急速な普及、料金の低下、また4番目の通信事業者が最近参入したことで、今後数年の間に少なくとも8000から9000の塔を追加する必要があるとみられている。

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