米企業7割「貿易摩擦で悪影響」、米中ビジネス評議会会長「交渉で解決を」

2018/9/19 18:07
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【ワシントン=鳳山太成、北京=原田逸策】米中貿易摩擦が中国で活動する米国企業に打撃を与えている。中国に進出する米企業で構成する米中ビジネス評議会が18日にまとめた報告書によると、73%の企業が投資を遅らせるなどの影響があると答えた。クレイグ・アレン会長は「米中両政府は関税ではなく交渉で解決してほしい」と安定した事業環境を求めた。

同評議会はアップルやゼネラル・モーターズ(GM)といった製造業や小売業など大手205社が加盟する。6月にアンケート調査した。

米中貿易摩擦による事業への影響を複数回答で聞いたところ「中国の規制当局による検査の増加」が28%で最多だった。米中摩擦が本格化した3月以降、税関検査の長期化など中国政府が関税以外の形で米企業に圧力をかけていることがうかがえる。先行き不透明感から投資を遅らせたり中止したりした企業は15%に上った。

米中は7~8月に計500億ドル分(約5兆6千億円)の商品に25%の追加関税を掛け合った。17日には中国からの輸入品2千億ドル(約22兆円)分に10%の追加関税を24日に発動すると発表した。アレン氏は「企業のコスト上昇につながり、米国やアジアにまたがるサプライチェーンの混乱に拍車をかける」と懸念を表した。

一方、中国で活動する米国企業でつくる中国米国商会が追加関税発動後の8月末~9月初め、米中貿易摩擦が会員企業に与える影響を調べたところ、6割超の企業が「経営に悪影響が出ている」と答えた。

調査は北京と上海で実施。430社以上から回答を得た。製造業が6割、サービス業が25%を占める。米政権が2千億ドル分への追加関税を発動すれば、47%の企業が「強い悪影響がある」、27%が「やや悪影響がある」と答えた。

中国も液化天然ガス(LNG)や木材など計600億ドル分に5%か10%の関税を上乗せする対抗措置を準備する。この措置について38%の企業が「強い悪影響がある」とし、29%が「やや悪影響がある」と答えた。

トランプ大統領が追加関税により狙う、生産拠点の米国回帰には多くの企業が慎重だ。64%の企業が「生産拠点を移す計画はない」と答え、「米国に移す」との回答は6%にとどまった。

トランプ米大統領は18日、中国が報復すれば、すべての輸入品に25%の関税をかけると警告した。「中国との協議はいつでもオープン」とも指摘し、中国に改めて譲歩するよう促した。企業の懸念が高まるばかりだが、貿易戦争が収束する兆しはなお見えない。

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