2019年6月16日(日)

定員超過の私大への新たな罰則強化、見送り 文科省

2018/9/19 17:46
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文部科学省は19日までに、私立大が入学定員を1人でも超えた場合、2019年度から助成金を減額するとした罰則強化を当面見送ることを決めた。同省は16年度以降、都市部の大学への学生集中を緩和するため、段階的に罰則を強化してきた。その結果、大学が合格者数を抑制する傾向が顕著になり、倍率は上昇。追加合格が相次ぐなど混乱の原因になっていた。

定員が8千人以上の大規模私大では従来、入学者数を定員の120%までに抑えれば、私学助成金が交付されたことから、辞退者を想定して合格者を多めに出してきた。

文科省はこれが地方の大学の志願者減少につながっているとして、定員充足率の基準を厳格化。16年度に117%を超えれば、助成金を全額交付しないとし、17年度は114%、今春は110%とさらに不交付の基準を厳しくした。19年度はこのルールを継続した上で、基準内であっても定員を上回った人数に応じて減額する新ルールの追加を予定していた。

日本私立学校振興・共済事業団によると、三大都市圏の私立大の入学者は14年度に定員の106%だったが、18年度は103%に低下。その他の地域は同時期に96%から101%に上がった。14年度に比べ、17年度の三大都市圏の大学(定員4千人以上)の入学定員超過数は8千人減少した。

ただ、18年度の大学入学者約49万8千人のなお8割近くが三大都市圏の大学に入学している。

罰則が強化されるなかで、定員超過を避けようと当初の合格者数を減らし、足りない分を追加合格で補う大学が目立つようになっている。追加合格によって他大に学生を奪われた大学が定員を埋めるため、また追加合格を出す連鎖が発生。入学直前に進学先が変わる学生が増えた。心理的負担などを考慮し、是正を求める声が多かった。

また、受験競争自体も激化。河合塾によると、16年に3.3倍だった私大539校の倍率は18年に4.1倍に。首都圏では3.7倍から4.6倍に上昇した。同社教育情報部の岩瀬香織氏は「4倍に達したのは03年が最後で、3倍程度で推移してきた。罰則の影響が鮮明だ」と指摘する。

こうした状況を踏まえ文科省は19年度の厳格化を当面見送り、3年後をめどに実施の是非を改めて判断することにした。

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