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FIFAコンサルタント、データを武器に利害調整

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2018/9/20 6:30
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アジアでいえば、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に参加するようなクラブはFIFAが求めるライセンスの条件を満たしていないと困るかもしれないけれど、ACLに出るレベルにはない国やクラブにとっては、高すぎる要件だったと思う。西欧を除けば、どこの大陸にも貧富の差はあり、立派なライセンス要件を突きつけられてもクリアできない国やクラブは多い。そういうところは最初から何もやる気にならず、結果的に何も起こらないし何も変わらないという悪循環を招くことになった。

現在のFIFAは、それに比べれば随分、親身になったように感じる。

「アフリカ、オセアニア、北中米、南米、それぞれの実情にあったライセンス制度を提案します。そのためのサポートも惜しみません」

こういうフレキシブルなやり方で現場の都合に合わせながら、国レベルまでライセンス制度を着実に落とし込もうとしている。

内部の意識や取り組みに変化

ライセンスとはあくまでもクラブを繁栄させるためのツールであり、クラブを助けるためのもの、クラブの力を引き出すもの。要件を盾に上からクラブの頭をゴンとたたくものではない。そういう意識や取り組みの変化があるがゆえに、アジアで8年間働いた私の経験がFIFAで生きているのかもしれない。

外国人を相手に仕事をしていると話すと「机をがんがんたたきながら自説を主張して一歩も引かない感じですよね。大変ですよね、外国人との交渉は」と同情するような視線で見られることがある。私にいわせれば、そんな場面はほとんどない。むしろ、大切にしているのはデータやエビデンスを基に議論すること。主観と主観をぶつけると感情的になって落としどころがなくなってしまいがち。そこにデータという客観的なものがあれば、主張の正当性は格段に認められやすくなる。

エゴの強い外国人は得をし、おとなしい日本人は損をする、というような紋切り型の発想にあまりとらわれない方がいいようにも思う。いろいろな利害の調整を最優先に図る今の仕事だと、ボランチのようなバランス感覚が必要になる。むしろ、日本人の気質に合っているような気もする。少なくとも私は自分を妙に飾らずに仕事ができている。

代表チームの成長とJリーグの成功により、どこに行ってもそれなりに遇されることが多い。アジアで素晴らしい成功を収めたサッカーの国の恩恵を、私も有形無形の形で受けているのだろう。Jリーグをつくる前の1980年代なら決してこうはならなかったはず。先人の偉大な業績のおかげで、こうした仕事に就けている。そんなこともしみじみと思うのである。

(FIFAコンサルタント 杉原海太)

 すぎはら・かいた 1996年東大院修了。コンサルティング会社を経て国際サッカー連盟(FIFA)運営の大学院を2005年に修了。06年からアジア・サッカー連盟(AFC)に勤めた後、14年から現職。FIFAの戦略立案に携わる。47歳。

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