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若手育ててこそのJリーグ 外国人枠拡大案に反論
サッカージャーナリスト 大住良之

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2018/9/21 6:30
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J1湘南に金子大毅という選手がいる。8月、20歳になったばかりのMFである。

千葉県の市立船橋高校から神奈川大学に進んだが、1年後の今春、湘南に身を投じた。4月に早くもデビュー。9月上旬のJリーグ・YBCルヴァン・カップ準々決勝、C大阪戦では2試合ともフル出場し、1点ずつ取って湘南の準決勝進出に貢献し、大きな注目を浴びた。私が彼をプロの舞台で初めて見たのはその第1戦だったが、技術の高さと落ち着き、そして果敢に前に出ていく積極性に驚いた。

チャンス狭めかねない変革

今回のテーマを金子の話で始めたのは、日本にはチャンスさえ与えれば急速に伸びる若手がまだまだたくさんいるはずと思うからだ。しかし現在のJリーグは、そうした若手の成長のチャンスを狭めかねない変革を断行しようとしている。外国籍選手枠を広げ、できれば制限を撤廃しようという方向性なのだ。

5日、ルヴァン杯準々決勝のC大阪戦でゴールを決め、喜ぶ金子(右)=共同

5日、ルヴァン杯準々決勝のC大阪戦でゴールを決め、喜ぶ金子(右)=共同

日本サッカー協会の登録チームは、原則として5人まで外国籍選手を登録できる。そして試合に出場できるのは通常3人までとなっている。しかしこの規則は、Jリーグは「この限りではない」としている。

現在のJリーグは、1試合につき3人までの「外国籍選手」に加え、アジア・サッカー連盟(AFC)加盟国の選手を1人、計4人をプレーさせることができる。さらには「Jリーグ提携国」の選手を「外国籍選手ではないもの(すなわち日本人選手)とみなす」としている。「提携国」とはタイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、マレーシア、そしてカタールの8カ国である。提携国の選手なら何人契約してもよい。極端な話、全員提携国の選手でも可能だ。

元スペイン代表のMFイニエスタ加入で話題になっているヴィッセル神戸を例にとってみよう。

「外国籍選手」はイニエスタのほか、元ドイツ代表FWポドルスキ、ブラジル人FWウェリントンの3人。「AFC枠」は韓国代表GK金承奎(キム・スンギュ)。そしてタイ代表DFティーラトンとカタール代表DFアフメド・ヤセルの2人が「提携国枠」である。8月26日の横浜FM戦では、後半の25分間だけだったが、この6人が全員ピッチに立った。すなわち、この25分間、日本選手は5人だけだったことになる。

そもそも、Jリーグを設立した最大の目的は日本代表を強くすることだった。1968年のメキシコ五輪以後、日本のサッカーは世界の舞台に出られなかったからだ。93年のJリーグ誕生により、98年にワールドカップ初出場を果たし、以後6大会連続出場。うち3大会で1次リーグを突破した。

日本代表をワールドカップに送り込んだのは間違いなくJリーグの功績だが、ベスト16が最高成績では「道半ば」であるのは間違いない。

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