2019年4月26日(金)

名古屋市の商業地、6年連続で上昇 基準地価

2018/9/18 19:30
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名古屋の中心部、栄・伏見地区の再開発期待が商業地の地価を押し上げている。国土交通省などが18日発表した2018年7月1日時点の基準地価は、名古屋市の商業地が前年比6.5%上昇した。プラスは6年連続。名古屋駅周辺の再開発が一服し、オフィスやホテルなどの需要が栄・伏見地区に移った。27年予定のリニア中央新幹線の開業を見据え、商業地の上昇が続いている。

愛知県の商業地で上昇率トップだった「名古屋鴻池ビルディング」(名古屋市中区)

再開発期待で栄・伏見地区が上昇率上位に

上昇率1位となった地点は錦通り沿いに立つ「名古屋鴻池ビルディング」。上昇率は24.8%と、全国でも5位に入った。愛知県の上位5地点をみると、2位の「名駅野村ビル」(24.5%、全国7位)を除く4地点が中区の栄・伏見地区。名駅のある中村区が4地点、中区が1地点だった前年とは対照的だ。区別上昇率は中区(16.0%)が中村区(12.2%)を12年ぶりに逆転した。

名駅周辺では南側の再開発地区「ささしまライブ24」に複合施設「グローバルゲート」が昨年、全面開業し、大型開発が一服した。オフィス仲介の三幸エステートによると、同エリアのオフィス空室率は8月が2.0%。「栄や伏見にオフィスを構え、名駅近くの優良物件の空きを待つ企業もある」(妹尾哲也名古屋支店長)という。名駅周辺の需給の逼迫感が栄・伏見地区の空室率低下にも影響する。

マンションやホテルの需要も堅調

マンションやホテルの需要も堅調だ。建築費が高止まりするなか、マンション用地ではコストを上乗せしやすい都心部の土地が物色されやすい。ワンルームマンションやビジネスホテルの建設を競って価格が上がっている面がある。

栄・伏見地区では再開発の機運が高まっていることも地価押し上げの一因だ。老舗百貨店の丸栄が6月末に閉店。日本生命栄町ビル跡地には大丸松坂屋百貨店が商業施設を建て、中部日本ビルディング(中日ビル)は19年3月に閉館し建て替える予定だ。久屋大通公園の北側では民間資金を活用するPFI方式による整備計画もあり、周辺の土地取引が活発になっている。

不動産サービス大手のCBRE(東京・千代田)によると、栄・伏見・丸の内エリアを中心とする中型ビルの賃料は20年に18年比9.8%上昇し、1坪(3.3平方メートル)当たり約1万4000円まで高まるとみている。一方、名駅周辺が同2万5000円程度でほぼ横ばい。栄・伏見の相対的な割安感もあって、「賃料は上がり続ける」(大上英男シニアディレクター)との見方が出ている。

もっとも、名駅周辺の地価上昇が止まったわけではない。東京カンテイ名古屋支店の有馬義之ゼネラルマネージャーは「栄が名駅より勢いがあるというよりは一時的な動きだ」とみる。27年のリニア開業に向け、名駅周辺の再開発は続く。名駅周辺でも、主要道路に面していない地域は割安感もあり、取引が活発。「商業地の上昇の勢いは続く」とみる。

愛知の住宅地、6年連続プラス

愛知県の住宅地は0.6%上昇し、6年連続のプラスとなった。名古屋市は1.6%上昇と、前年より0.2ポイント高くなった。区別で最も高かったのは中区の9.0%。熱田区や中村区、西区など、中心部の上昇率が前年を上回った。まとまった土地の供給が少なく、マンション事業者の需要が集まりやすい。

市町村別では上昇率のトップが長久手市の3.9%。イオンモールやスウェーデン家具大手「イケア」といった商業インフラが整い、住宅購入のニーズが引き続き高い。2位以降は日進市(2.9%)、大府市(2.5%)、みよし市(2.3%)と続く。

県内住宅地の上昇率を見ると、2位と3位に豊田市が入った。「居住環境がよく、供給が少ないため、物件が出ると高値で取引される」(不動産鑑定士の小森洋志氏)という。トヨタ自動車グループを中心とする製造業が好調なことを背景に豊田市周辺の地域でも、戸建て住宅の根強いニーズが地価を押し上げている構図が続いている。

リクルート住まいカンパニーの不動産・住宅情報サイト「SUUMO」の池本洋一編集長は「名古屋駅にアクセスしやすいJR沿線の地域にも需要が集まっている」と分析する。単身や高齢者の世帯が増えるなか、駅前に商店などが集まっており利便性が高いためだ。一宮、刈谷、安城などは上昇率が前年を上回った。

(三輪恭久、浅山亮)

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