2018年10月16日(火)

吉野家でワイン「チョイ飲み」広がるか アマゾンと協力

小売り・外食
2018/9/18 18:13
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吉野家ホールディングスは18日から21日まで吉野家有楽町店でワインを提供する。午後5時以降の「吉呑み」サービスの一環だ。最大1100店で展開していた吉呑みだが、足元は都心店だけに縮小。話題を呼んだデジタルボトルキープも年内に終了する予定だ。コンビニや飲食店などと競争が厳しくなる中で、得意の牛肉を軸にチョイ飲み需要の深掘りを図る。

スパーリングワイン、白ワイン、赤ワインなど全3種をグラス1杯100円で提供する(東京・千代田)

「ワインと牛皿の相性は最強だ。来店客支持が得られるようならメニューに加えていきたい」。吉野家の有楽町店で18日に開いたイベントで吉野家企画本部の伊東正明氏は話した。アマゾンのワインお薦めサービス「Amazonソムリエ」との今回のコラボレーンションでは、1日で数千人が利用する有楽町店で4日間、アマゾンの直輸入ワインを1杯100円で提供する。

伊東氏は「帰り際に吉野家に寄る機会を1回でも増やせれば」と語る。チョイ飲み需要を巡っては、居酒屋のみでなく大手ファミリーレストラン、ファストフードなど外食店のみでなく、コンビニなども小分けの総菜などを増やすなど、多様なプレーヤーが取り込みを進めている。

ビールなどの酒類に牛皿や独自メニューのおつまみと合わせて提供する「吉呑み」は2013年にスタートした。アルコールの注文数が平均1.8杯、客単価約1500円とほぼ狙い通りに単価の引き上げや夜間の来店増に寄与している。

ただ現在は施策の見直しを進めている。かつて郊外店を含む1000店超に展開してきたが、足元は都心店を中心に275店に縮小。「郊外では車での来客が多い」(同社)ことから飲酒需要が多い都心部に対応店を集中させた。注目を集めたスマートフォンアプリを使ったデジタルボトルキープは利用率が振るわず年内に終了する。

今回提供するワインは「Amazonソムリエ」のソムリエが、吉野家の牛皿(並盛330円)や炙り塩鯖(430円)に合わせて選んだ。利用状況を見ながら、今後は夜の人気メニューと合わせて、女性や若い層の日用使いとして定着させたい考えだ。

飲食店の「チョイ飲み」市場そのものは伸びを欠く。調査会社NPDジャパン(東京・港)によると、17年7月から18年6月の期間に1999円以下のアルコールをともなう外食の機会数は、2年前同期に比べて2911万回少なくなっている。同社のシニアアナリスト東さやか氏は「働き方改革の影響で帰宅時間が早くなり、『少し飲む程度ならコンビニなどで買って自宅で』と消費者の行動が変化している」と分析する。

中食市場が伸びる中で、飲食店ならではの価値を出せるかは外食産業が抱える共通の課題だ。吉野家でのワイン提供はどのような価格帯に設定するか、劣化の早いワインを常においしく提供できるかなどまだ検討すべき課題は多い。ただ牛皿や、目の前でバーナーを使う炙り塩鯖など、吉野家が得意とするメニューとの相乗効果は高い。外食ならではの「飲み」の魅力を打ち出す新たなきっかけを探っている。

(企業報道部 江口良輔)

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