2019年4月26日(金)

長野県の基準地価 商業地で2年ぶり上昇地点

2018/9/19 0:00
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長野県が18日発表した2018年の基準地価(7月1日時点)は、全用途平均で前年比1%下がった。22年連続の下落だが、下落率は前年より0.3ポイント縮小した。県内の商業地で2年ぶりに上昇地点があったほか、住宅地も下げ止まる地点が増えた。特に製造業の設備投資が活発な地域では人口増を見込んだ上昇があるなど、活発な企業活動が地価に波及してきた。

JR広丘駅周辺は松本市や塩尻市に通勤する人の住宅地として人気がある

■塩尻など回復

県内商業地の平均変動率は1.4%の下落。上昇に転じた全国と違い依然下がりつつづけているが、下落幅は0.3ポイント縮小した。

商業地で唯一上昇に転じたのは、JR広丘駅(塩尻市)西口周辺。1.3%の上昇だった。広丘地区はセイコーエプソンの広丘事業所の従業員をはじめ、松本市や塩尻市に通勤する人のベッドタウンとして人気がある。同市の商業地が上昇したのは合併で現在の同市になる前の1994年以来だ。市平均でも商業地は今年上昇に転じた。

広丘駅西口は近年、農地の宅地化が進んだ。広丘地区の不動産店によると区画整理事業で道幅が比較的広く、松本市への幹線道路である国道19号線が2012年度に一部4車線化し、利便性が高いため居住者が増えているという。

06年のエプソン広丘事業所の研究棟稼働もあり、市によると広丘地区の人口は今年4月時点で1万3850人と06年4月比で1割増えた。同不動産店は商業地の地価上昇について「人口増加に伴うものでは」と分析する。同事業所では今月13日に新棟が起工されるなど、設備投資が続く。

■御代田で転勤効果

転入による人口増が続き、厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所の予想では40年まで人口増が続く見込みの御代田町でも、企業活動が地価に影響を与えている。今回の調査では、23年ぶりに町内住宅地平均で上昇になった。商業地も横ばいに転じた。

町内にはミネベアミツミやシチズンマシナリーの製造拠点がある。町によれば、転勤で若い家族が引っ越してくることも多いという。町内の不動産業者は「ミネベアミツミ関係の顧客は圧倒的に多い」と話す。分譲宅地なども建ち、家屋の建設は増加傾向だ。町によると17年度は町内で117棟の新築家屋が建設された。

しなの鉄道御代田駅から1キロメートル強の団地付近では地価が1%上昇した。周辺には学校やスーパーもあり、生活の利便性が高いことが要因とみられる。

■都市中心は上昇

住宅地の価格上昇率の最高地点はJR長野駅東口周辺だ。長野市は東口周辺の区画整理を進めており、閑静な住宅地としての開発が進行している。ただ郊外や山間部は下落が続き、市平均では0.5%の下落だ。

松本市は商業地の下げ止まり傾向が鮮明で、市平均の下落率は0.1%まで縮小した。JR松本駅近くでホテル建設が相次いでいる。マンション建設も進み、住宅地は市平均で2年連続の上昇だ。

長野市に隣接する小布施町では町平均で住宅地が21年ぶりの上昇。松本市の南の山形村も横ばいと、ベッドタウンでも回復傾向がみられる。

上田市や飯田市でも商業地が下げ止まり傾向だ。上田市は17年調査では5カ所の調査地点全てで下落したが、18年はそのうち2カ所で下げ止まった。飯田市も4カ所で横ばいになった。基準地価調査の代表幹事で不動産鑑定士の茅野武弘氏は「(市内に新駅が設けられる予定の)リニア中央新幹線への期待はあるが、不動産市場ではまだ顕在化に至っていない」と話す。

■山ノ内町は下落

長野県内の企業拠点周辺や都市部で地価が下げ止まりの傾向がある一方、逆に下落が目立ったのは山ノ内町だ。商業地、住宅地ともに下落率の県内トップは同町平穏地域の調査地点だった。近年町内で旅館の倒産が相次いだことなどが要因とみられる。町平均で商業地は4.2%、住宅地は3.1%下落した。

山ノ内町は県北部では白馬村や野沢温泉村などと並ぶスノーリゾートだが、両村とは差がついた形だ。野沢温泉村は数年前の調査まで市町村別下落率の上位だったが、18年は住宅地の下落率が前年比2.1ポイント縮小し、0.6%となった。白馬村も下落率0.5%まで縮小した。オーストラリア人など外国人が運営する宿泊施設や店が目立つ両村に比べ「山ノ内は外国人の土地取引が多くない」(不動産鑑定士の茅野武弘氏)という。

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