2019年4月24日(水)

県庁所在地で底打ち感 四国4県の基準地価、高松市・徳島市が上昇
4県の上昇地点は7割増

2018/9/18 17:22
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四国4県が18日発表した2018年の基準地価(7月1日時点)は、住宅地や商業地を含む全用途平均で高松市と徳島市が上昇に転じた。景気回復やインバウンド(訪日外国人)の増加で、松山市も商業地は値下がりが止まった。県庁所在地の地価の底打ち感が鮮明になる一方で、人口減の影響などにより4県とも全体では下落が続く。

4県の上昇地点は17年の46地点から78地点へと7割増えた。地価の上昇をけん引しているのが県庁所在地だ。

高松市は全用途が1991年以来、27年ぶりに上昇した。観光白書(18年版)によると、外国人延べ宿泊者数の17年速報値と12年の比較で、香川県の伸び率は全国首位。JR高松駅前に宿泊特化型ホテル「JRクレメントイン高松」が10月に開業するなど、市内ではホテルの建設が相次ぐ。

高松市ではホテルの建設が相次いでいる

高松市ではホテルの建設が相次いでいる

高松市は08年に都市が無秩序に広がる「スプロール現象」からの脱却を目指し、集約型の都市へとかじを切った。市内中心の高松丸亀町商店街の周辺では、再開発が面的に広がるとみた土地取引が活発化。区画整理で利便性が高まり、標準的な会社員世帯が購入可能な高松琴平電気鉄道(同市)の三条―仏生山駅間では住宅需要が旺盛で、マンションの激戦地にもなっている。

徳島市も26年ぶりに全用途が上昇に転じた。JR徳島駅前に15年10月に200室を超えるホテルが開業したほか、観光需要を取り込もうとホテルの増築の動きも目立つ。これに引っ張られ、飲食店の出店への意欲が高まっている。

松山市では09年から続いていた商業地の下落が止まり、横ばいに転じた。中心部の大街道商店街周辺ではインバウンドの増加に伴いホテルの新設が続く。ターミナル駅である伊予鉄道の松山市駅周辺でも、ホテルの建設計画など動きが活発。不動産鑑定士の大西泰祐氏は「飲食店も含めた需要は今後もしばらく続く」と指摘する。

高知市では21年ぶりに商業地で上昇地点が1カ所出た。県全体でも上昇は18年ぶり。JR高知駅東側では、これまでの下落で値ごろ感も出ており、自動車販売店やスポーツジムなどの進出が相次ぐ。不動産鑑定士の畠山照章氏は「近隣で大型商業施設の開業計画が進んでいることや、マンション建設が増えていることなども影響している」と話す。

高知市では住宅地でも上昇地点が16年ぶりにみられた。南海トラフ地震による津波被害の懸念が小さく、教育環境も充実している地域に人気が集まっている。

県庁所在地では地価の回復が鮮明になってきたが、4県とも全体で見たときに、下落率は縮小しているものの、値下がりは続いている。香川県内の住宅地では17市町のうち14市町で地価が下がった。

人口減、商店街の空洞化、空き家問題など様々な地域課題が重くのしかかる状況に変わりはない。四国で改善傾向が今後も続くかどうかは、不透明だ。

直島町、25年ぶり上昇

3年に1度開催される瀬戸内国際芸術祭の舞台として国内外の観光客が多く訪れる香川県直島町の地価が25年ぶりに上昇した。4月1日時点で人口が約3100人の町に、2017年度には79人が移住。不動産鑑定士の鈴木祐司氏は「観光地として注目が集まり、商売を始めようという人が増えている」と話す。

直島では至る所でアート作品が楽しめる(草間彌生さんの「南瓜」)

直島では至る所でアート作品が楽しめる(草間彌生さんの「南瓜」)

直島町で唯一の不動産会社、直島不動産を経営する山岸正明代表は「物件が少なく、行列ができている状態」と指摘する。物件が不足している理由として、知らない人に貸したり売ったりしたくないと考える所有者が多いことも影響しているという。

このため、山岸代表は物件の掘り起こしに汗をかく。「移住支援を手掛け、町づくりの手助けをしていきたい」と意気込んでいる。

同じ瀬戸内海の離島でも、オリーブで有名な小豆島は地価の下落が続く。小豆島町と土庄町を合わせ346人が17年度に移住と直島町を大きく上回るが、住宅地では両町がともに1.8%下がり、香川県内では下落率が最も大きい。小豆島は、瀬戸内海では淡路島に次ぐ大きな島で、地元の土地需要の低迷の方が強く地価に反映されている。

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