2018年10月17日(水)

都内の基準地価3.7%上昇 新宿・浅草で訪日客効果

東京
2018/9/18 17:34
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東京都が18日発表した2018年の都内の基準地価(7月1日時点、全用途平均)は前年比で3.7%上がった。上昇は6年連続。商業地では大型再開発が計画される新宿・歌舞伎町や渋谷駅周辺のほか、訪日外国人でにぎわう浅草などで上昇率が高かった。住宅地は地価上昇が23区の周辺部にも波及。荒川区や北区などで利便性の高いエリアが全体をけん引した。

訪日客でにぎわう歌舞伎町1丁目は上昇率が20%に達した(18日、東京都新宿区)

新宿区の歌舞伎町1丁目。地価の上昇率は20%と、都内の商業地でトップとなった。ロボットを使ったダンスショーが楽しめる「ロボットレストラン」のほか、メニューの外国語表記が整ったすし店や免税店が立ち並ぶ。夜の娯楽が少ないとされる東京にあって、訪日客の歌舞伎町人気は続く。

再開発も地価上昇をけん引する。歌舞伎町では東京急行電鉄などが映画館「新宿ミラノ座」の跡地に、超高層ビルを建設する。富裕層向けなど様々なタイプの客室を用意するホテルや、空港から直結するバスターミナルなど訪日客を呼び込む新宿の新たな拠点となる。

ソフト面でも受け入れ体制の整備が進む。新宿観光案内所では19年1月から5000円分のバウチャー(利用券)を発売。「お通し」など外国人にはわかりにくいチャージ料も含めた定額メニューを出す加盟店で安心して飲食を楽しんでもらう。

同じく訪日客の人気が根強い浅草寺がある浅草も上昇率のトップ10で2位と5位に入った。訪日客の需要を見込んだホテル開発などが追い風だ。松竹は20年5月に開業予定の「(仮称)浅草ビューホテル別邸 HAKARAI」を計画。客室は200室程度で、和を意識した内装にする。

再開発効果が顕著なのが渋谷だ。上昇率上位10地点のうち、4地点を占めた。いずれも10%を超える高い伸びを示す。渋谷駅周辺では13日開業した複合施設「渋谷ストリーム」や19年度に一部開業する「渋谷スクランブルスクエア」「東急プラザ渋谷」など東急グループによる再開発が同時進行する。

東急電鉄の高橋和夫社長は「各施設が集積し、魅力を高め合い、有機的につながることで恒常的なムーブメントを作り出す」と狙いを話す。

■住宅地、荒川・江東 伸び大きく

住友不動産が荒川区西日暮里で販売する分譲マンション「シティテラス西日暮里ステーションコート」(122戸)。入居開始は来年5月だが、すでに4割強を売った。価格帯は6000万円台後半が中心。顧客は大手町や霞が関に通勤する共働き世帯が多いという。

2018年の都内の住宅地の基準地価は前年比で2.4%上昇した。上昇率が最も高かったのは荒川区西日暮里4丁目。トップ10のうち8地点を城北エリアが占めた。東京メトロ・東西線の東陽町駅に近い江東区東陽5丁目も上位に入った。利便性が高く、割安感のある23区周辺部に地価上昇が波及している。

不動産調査会社、東京カンテイの井出武・上席主任研究員は「都心マンションの高騰を受け、城北・城東エリアで供給が過熱している。利便性の高いエリアが評価を得ている」と指摘する。

多摩地域の住宅地は0.8%上昇した。武蔵野市や三鷹市、小金井市などJR中央線の沿線で23区に近いエリアが高い伸びを示した。

工業地では、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の青梅インターチェンジに近い青梅市今井3丁目が7.0%上昇した。ネット通販の普及に伴う物流施設への需要増を映した。

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