2019年6月18日(火)

勝負はこれから

フォローする

「勇退」決断 広島・新井のチームへの思い
編集委員 篠山正幸

(1/2ページ)
2018/9/18 6:30
保存
共有
印刷
その他

勝負どころでの強烈なスイング、何とか塁に出たい、というときの右打ち……。さほどの衰えは感じられず、選手仲間もまだやれると見ていたなかで、広島・新井貴浩(41)は今季限りでの引退を決断した。育ててもらった広島の今後を思えばこその選択だったようだ。

「僕がいうのもアレだが、まだまだできると思うし、チームにも必要な存在」(石原慶幸)

「まだまだ一緒にできると思っていた」(会沢翼)

選手たちは口々に、早すぎる引退に驚きの言葉を口にした。

兄貴分と慕っていた菊池涼介は野性的な直感からか、進退を考慮していることを「うすうすと感じていた」そうだ。その菊池にしても、いざ、現実となってみると「信じたくない。(まだまだ)できると思うし、やってもらわないと困ると思っていた」と喪失感を隠せない。

5日、引退表明の記者会見を終え、試合前に笑顔を見せる新井=共同

5日、引退表明の記者会見を終え、試合前に笑顔を見せる新井=共同

恒例となったキャンプ地の坂道ダッシュや、個人ノックなど、若いときと変わらないような宮崎・日南キャンプのメニューをこなして臨んだ20年目の今季。引退の「い」の字も予感させるものはなかった。

8月9日の中日戦(マツダスタジアム)では2-2の延長十一回1死から代打で出て、右前打で出塁。菊池のサヨナラ打のお膳立てをした。引退表明後の9月11日には代打で適時打を放った。

交流戦終わったころから意識

戦力としても、チームリーダーとしてもまだ役目は終えていなかったが、本人は交流戦が終わったあたりから、引退を意識し始めていたという。

交流戦終了時点で打率2割3分3厘、3本塁打、15打点。少し寂しい成績ではあった。

しかし「引き際」を考え始める契機になったのは個人成績より、順調に3連覇への歩みを進めるチーム全体の状況の方だったかもしれない。

交流戦は毎年セ・リーグのチームにとって鬼門となる。ここでペースを乱し、失速するケースもある。広島はここを無難に乗り切った。その時点で2位DeNAに4ゲーム差をつけ、首位の座をキープしていた。今年もどうやら優勝に向けて安定した戦いができそうだ、となったときに、胸中に変化が起きたのかもしれない。

新井が球団に引退の意思があることを告げたのは8月だったという。球団は慰留したが、気持ちは変わらなかった。

「チームの2年後、3年後、5年後を考えると、今年でいいんじゃないのか……」。5日、マツダスタジアムで行われた記者会見で、新井はそう話した。

背番号「25」を着たお客さんは本拠地に限らず、多い。そのファンを喜ばせることがなかなかできなくなってきたこと、そして若手の成長を新井は決断の理由に挙げた。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

プロ野球コラム

17年ドラフト会議

電子版トップスポーツトップ

勝負はこれから 一覧

フォローする
5月2日の中日戦で天井へ当たる三塁適時内野安打を放つ巨人・岡本=共同共同

 「フォーアウトを取る野球は難しいということですねえ」。巨人・原辰徳監督が、しみじみと語ったのは岡本和真の“凡飛”が、東京ドームの天井に当たって安打となったことから逆転勝ちした中日戦(5月2日)のあと …続き (6/11)

上原のシーズン半ばでの引退決断には、チームに影響のない形で辞めるという強い意志があったことがうかがえる=共同共同

 シーズン半ば、巨人復帰後の上原浩治(44)が、ユニホームを脱いだ。復活を心待ちにしていたファンにとっては寂しい限りだろうが、誰よりも悔しい思いをし、決断の苦しさを味わったのは当人だろう。自己に対する …続き (5/28)

5月4日の広島―巨人戦。1回、菊池涼のプレーを巡りリクエスト後、アウト判定となった結果に猛抗議する広島・緒方監督(左)。この後、退場処分となる=共同共同

 野球に判定のトラブルはつきものだ。それをすっきり解決する手段の一つとして導入されたリクエスト制度だが、それがもとで起こるもめ事もあるからややこしい。審判の権威を守りつつ、判定の正確性を期すにはどうす …続き (5/14)

ハイライト・スポーツ

[PR]