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右肘手術か回避か エンゼルス大谷の選択は…
スポーツライター 丹羽政善

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2018/9/17 6:30
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どこからブルペンを見ようかと、左中間からセンター方向を眺めていた。

米大リーグ、レンジャーズの本拠地グローブライフ・パークのセンターには、バックスクリーン代わりの芝生の坂の上にバーがある。そこからなら左中間にあるビジター用のブルペン全体が見渡せる。少々距離があるが、そこがベストか。

そうこう考えているうちに、時計の針が午後5時を指そうとしていた。そろそろ大谷翔平(エンゼルス)が、フィールドに出てきてもおかしくない。予定ならその日は、ブルペンで軽く投げることになっていた。

88日ぶりのメジャー登板を果たしたのは、その3日前――9月2日(日本時間3日)のこと。

大谷は2日のアストロズ戦で88日ぶりの登板を果たしたが…=共同

大谷は2日のアストロズ戦で88日ぶりの登板を果たしたが…=共同

初回に球速が99マイル(約159キロ)をマークするなどしたが、腰に張りを覚え、二回にセンターへ抜けようかという打球を素手で取りにいって、右手薬指を負傷。復帰登板はそうしたアクシデントに加え、予定していた球数(50~60球)に達したこともあり、三回1死であっけなく幕となった。

だが大谷はその2日後には外野でキャッチボールを行っており、腰の張りなどの影響は見られない。その日の記者会見でもマイク・ソーシア監督が「9日の先発は問題ないだろう」と楽観的に話していた。

「チームドクター、手術を勧める」

果たして、復帰して2度目の登板が予定通りかどうかは、そのブルペンが一つの目安になるはずだった。だが、不意に現れたチーム広報が近くにいたメディアを集めると、こう告げた。

「大谷翔平は今朝、磁気共鳴画像装置(MRI)検査を受けたところ、右肘の靱帯に新たな損傷が認められた。チームドクターからは手術を勧められている」

えっ!?

その瞬間、9日の先発どころか、大谷が今季、再びマウンドに上がる可能性が消滅した。

登板直後から右肘の張りが引かなかったという。

大谷は登板翌日、「試合のレベルなんで多少張りはある」と話し、それを通常の登板翌日の張りと理解していたが、それが2日たっても抜けない。念のため近くの医療機関で検査を受けると、別の損傷が発覚。チームドクターに画像を転送すると、「手術やむなし」の診断が下った。

手術とはもちろん、復帰まで1年以上を要するとされる靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)のこと。今オフに手術に踏み切れば、来季の登板も絶望的となる。

復帰登板の三回、初回と比べればフォーシーム・ファストボールの球速が平均で10キロ近くも落ち、腰の張りや指のけがでは説明できないとの指摘は少なくなかった。よって、「ひょっとしたら」という捉え方もあったが、その懸念が現実となった。

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