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貿易戦争「議論が急務」 G20貿易相会合で声明

反保護主義は盛らず

【マルデルプラタ(アルゼンチン東部)=外山尚之】世界主要20カ国・地域(G20)は14日、アルゼンチンで貿易相会合を開いた。米中の貿易戦争を念頭に「現在の国際貿易で起きている出来事について議論することが急務だ」とする声明を採択した。世界貿易機関(WTO)改革の必要性でも一致した。しかし、米中の閣僚は欠席し、保護主義への対応は声明に盛り込まれなかった。

日米中などはG20貿易相会合に閣僚の派遣を見送った(アルゼンチン・マルデルプラタ)

G20貿易相会合は先進国から新興国まで主要国の貿易担当閣僚が一堂に会する場となるはずだったが、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は欠席。中国や日本も閣僚の派遣を見送った。

全会一致の声明は「国際貿易における現在や将来の課題に対処できるよう、WTOを改善する方策を議論する緊急の必要があることを認識する」とした。一方、2017年のG20首脳会議(ハンブルク・サミット)で採択した「保護主義と闘う」という文言は盛り込まなかった。7月のG20財務相・中央銀行総裁会議の声明にあった「ハンブルク・サミットの合意を踏襲する」という一文も見送られた。

議長国アルゼンチンのフォリー外務・宗務相は閉幕後の記者会見で、貿易戦争の影響について「関税引き上げなどの動きはポジティブではない」と述べたものの「G20は対話による解決を望む」としか踏み込まなかった。

米国と他国の溝は深く、会合に出席した中根一幸外務副大臣は「様々な意見があった」という。全会一致を優先するため、貿易戦争に関する部分は結論を避け、WTO改革など反対意見が出にくいテーマでまとめた。

米トランプ政権は1対1で「取引(ディール)」を迫る手法を得意とする。メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉での合意などでは一定の成果が出ており、日本に対しては閣僚級の貿易協議(FFR)で市場開放を迫っている。米国が多国間協議を嫌うことで、G20は求心力を失いつつある。

11月30日にブエノスアイレスで開幕するG20首脳会議には、米トランプ大統領も出席する予定。今回採択された声明では各国の首脳に対し、「サミットで重要な議題をさらに検討することを勧める」としているが、貿易分野での大きな進展は望めない情勢だ。

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