JR東海、リニア作業員宿舎の建設着手
JR東海は14日、リニア中央新幹線の南アルプストンネル静岡工区について、作業員の宿舎の建設工事を18日から始めると発表した。同社は14日、静岡県と静岡市に宿舎工事に関する環境影響評価の事後調査報告書と環境保全措置計画も提出した。トンネル着工に向けた準備工事に本格的に着手する。
静岡市から14日、宿舎建設現場に向かう林道東俣線の使用許可を受けた。宿舎3カ所のうち、まず椹島地区で18日から順次、事務所看板の設置などを行い、工事を進める。西俣、千石の2地区の宿舎は19年春、椹島は20年夏の完成を見込む。
報告書では宿舎工事での保全措置効果に不確実性がある植物2種について生育状況を調査したところ、変化はなかったとして、引き続き経過観察するとしている。環境保全措置としては、施設計画地を重要な動植物の生息地から回避するなどの方針や、騒音・大気汚染対策を明記。県は報告書の提出を受け、10月14日まで県民から意見を募る。
静岡県中央新幹線対策本部長を務める難波喬司副知事は14日、コメントを発表し、「宿舎工事は大きな土地の改変を伴わず、環境への影響は極めて軽微」と指摘。その上で、大井川水系の水量減問題を巡り、トンネル湧水の全量回復について「誠意ある対応をお願いする」とした。