2018年11月13日(火)

ありがとう平成の歌姫 安室さん、15日夜ラストライブ
駆け抜けた四半世紀 地元沖縄、感謝の声あふれる

九州・沖縄
2018/9/15 6:30
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「安室ちゃん、ありがとう」。沖縄県出身の歌手、安室奈美恵さん(40)が16日に引退する。中学卒業と同時にふるさとを飛び出した少女は平成を代表する歌姫へと成長、ファッションなどを通じて社会にも大きなインパクトを与える無二の存在となった。15日夜には沖縄県宜野湾市でラストライブが開かれる。地元沖縄は今、四半世紀を駆け抜けたヒロインへの感謝と惜別の声であふれている。

ビル壁面に設置された安室奈美恵さんの写真(12日、那覇市)

ビル壁面に設置された安室奈美恵さんの写真(12日、那覇市)

安室さんが笑顔で歌う大きな写真が掲示された那覇市内のビル前。安室さんの姿を写真に収めようと、ひっきりなしに観光客や地元住民が訪れている。市内では多くの関連イベントが開かれ、あちこちで長い行列ができた。

沖縄市の主婦、知念悠里さん(40)は「本当にさみしい。同い年の母親としても励まされてきた」。自身の結婚式では安室さんの代表曲のひとつ「CAN YOU CELEBRATE?」を流したといい「これからもずっと曲を聴き続けて、元気をもらいたい」と力を込めた。

沖縄都市モノレール「ゆいレール」では、全駅の改札口付近で安室さんの楽曲が流れる。「高校時代にカラオケでいっぱい歌った」。愛知県から旅行に訪れた水野美由紀さん(29)は懐かしげに聴き入り「今でも憧れの女性。お疲れさまと伝えたい」としみじみ語った。

「私たちの未来はNEVER END」――。安室さんは2000年に開催された九州・沖縄サミットの歓迎レセプションで、同サミットのイメージソング「NEVER END」をのびやかに歌い上げた。

九州・沖縄サミットのレセプションで熱唱する安室さん(中央)=2000年7月22日、那覇市内のホテル

九州・沖縄サミットのレセプションで熱唱する安室さん(中央)=2000年7月22日、那覇市内のホテル

沖縄でのサミット開催を決めた首相で、開催前に急死した小渕恵三氏が「21世紀の世界の交流がみんなの心に浮かぶような歌を作ってほしい」と、音楽プロデューサーの小室哲哉さんに依頼してつくられた作品。テーマは「対話による平和な未来」だ。サミット運営に携わった県庁勤務の50代男性は、各国首脳を前に美しい歌声を堂々と披露した安室さんの姿を思い返し「沖縄の未来に思いをはせていただき、本当に感動した」と感謝の言葉を述べた。

市内の高校に通う我那覇美里さん(16)は陸上部に所属。安室さんの「Hero」に何度も励まされた。「沖縄県民にとって安室さんはヒーロー。引退は悲しいけど、曲を聴いて部活を頑張りたい」と笑顔をみせた。

ショッピングセンターで開かれている安室さんの展覧会(13日、沖縄県沖縄市)

ショッピングセンターで開かれている安室さんの展覧会(13日、沖縄県沖縄市)

引退する16日までの日程で、安室さんの軌跡をたどる展覧会が東京・大阪・福岡・沖縄の4都市で同時開催されている。沖縄市内の会場では13日、平日にもかかわらず約2千人のファンが足を運び、3時間待ちの大行列をつくった。

安室さんはその影響力から、ミニスカートに厚底ブーツ、茶髪に細眉の「アムラー」といった社会現象も生み出した。展覧会場には歴代のコンサート衣装が並び、多くのモニターが安室さんの熱唱を映し出す中、感傷に浸って放心したように立ち尽くすファンの姿も。設置されたメッセージスペースは「25年間お疲れさま」「沖縄の誇りです」といった手書きの言葉で埋め尽くされた。

安室さんのライブ衣装などが並ぶ展覧会は多くの人でにぎわう(13日、沖縄県沖縄市)

安室さんのライブ衣装などが並ぶ展覧会は多くの人でにぎわう(13日、沖縄県沖縄市)

福岡県から訪れた末安由佳さん(33)は20年来のファン。引退を知った時は仕事を休んで2日間泣き続け、最後の「追っかけ」に専念するため退職した。「安室ちゃんは私の人生そのもの。楽しませてもらった分、今後は自分の人生をのびのびと楽しんでほしい」と涙を拭い「ずっと大好きです」と書き込んだ。

神戸市から5歳の長女と2人で来た主婦の楢原文子さん(35)は育児に悩んでいた時に、安室さんの人気曲「Say the word」に出てくる「この場所から未来へ」という言葉に何度も励まされた。「この先に未来がある、と思うと頑張れた。引退しても『この場所から未来へ』と進んでいってほしい」と願った。

安室さんのライブで使われた衣装に見入る人たち(13日、沖縄県沖縄市)

安室さんのライブで使われた衣装に見入る人たち(13日、沖縄県沖縄市)

現役最後のステージは15日夜、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターでのライブとなる。会場では数日前から、ファンが訪れて記念撮影などをする姿が見られた。

「本番が待ち切れず、ワクワクして来てしまいました」と笑うのは、沖縄県南城市出身で東京都に住む会社員、普天間弥さん(37)。15日は休みを取ってライブに参加する。「今までの感謝を込めてライブに参加したい。最後に地元の沖縄を選んでくれてうれしい」と話した。

前泊するファンが多数詰めかけ、ホテルは予約が取りにくい状態に。宜野湾市のホテルの担当者は「宜野湾だけでなく那覇や距離のある恩納村なども、ほとんどのホテルが予約が取りづらい状況だと聞いている」と話した。

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